ちょいと古いネタなんですが、昨年9月に青春18きっぷで奈良の五條に行ったときの話を。
生まれて初めて乗ったJR和歌山線は思わず「おぉ、まだこんなのが走ってたか~」と口走ってしまった懐かしの105系。近場なのに遠い田舎に来たような気分になった。
※奇しくも和歌山線の105系は本日10月26日をもって引退となります
ガタゴトと田園地帯を走るワンマン電車に揺られること1時間。ようやく五条駅に到着。
駅前の観光案内所で町並みのパンフレットをもらって散策スタート。
この日のお目当て、「五條新町通り」の入口までは駅から1km弱となかなかに遠い。
「だるいなぁ」なんてつぶやきながら歩き出すといきなりこんなのが登場した。
え?待って。何これ。レベル高すぎでしょ。
全部載せれないのが残念なほど、ストライクゾーンど真ん中すぎる古い建物のオンパレード。
商栄会通りを西進し、なんとなく道なりに歩くと国道がクロスする五差路に出る。
「本陣交差点」なるその五差路、国道24号、168号、310号、370号と市道がクロスする異様なほどカオスな交差点になっている。
そこを渡ると新町通りはもうすぐそこ。
日本最古の民家
慶長12(1607)年の棟札がある、建築年代がわかる建物としては日本最古となる「栗山家住宅」。こんなのが普通に通り沿いに建っているのだからすごい。
江戸時代の建物らしく、天井がものすごく低い。
その少し先を右手に折れたところがこの日の目的地である。
新町通り
ここから始まる約900mの通り沿いに、江戸時代の町家を中心に伝統的建造物が立ち並ぶ新町通り。
町並み界では奈良町や今井町と並んで奈良を代表する観光名所となっている。
新町通りのランドマークとも言える『餅商一ツ橋』さん。この日は日曜で定休日だった。
なんとこの餅商一ツ橋さん!この少し後の11月末をもって、大勢の人に惜しまれまくりながら閉店してしまったそう。
100年の歴史を誇る老舗。この店に思い出を持つ人たちのショックは計り知れないと思う。
「五條」の名は、旧紀州街道や伊勢街道など5つの街道が交わっているのが由来となっていて、古くから交通の要衝として栄えてきた。(さっきの交差点がまさにその名残)
さらにこの通りのすぐ南側には吉野川が流れており、水陸双方で要衝だったと言うのだからどれだけ栄えたのかは想像に難くない。
まちの成立そのものは慶長13(1608)年と江戸時代に入ってすぐのことで、二見城の城下町として整備されたのが新町地区のはじまり。
1615年には天領(幕府直轄地)となった五條は、先述のとおり交通の要衝だったことで宿場町として発展。
のちに商家町としての性格が濃くなり、それは今も残る商家の建物を見れば一目瞭然と言えよう。
5分ほど歩いたところで、川のほうへ出れる道があったのでついでに寄ってみた。
日本の発祥とも言うべき古都・奈良。
堤防から見た吉野川は、古来からの日本の美を凝縮したかのようで何とも心に安らぎを覚える風景だった。
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