「沖縄」「離島」
旅好きにとってこのふたつは強烈なパワーワードであると思う。
どちらかと言うと人が行かない寂れたところを好む筆者も、“沖縄”の“離島”ともなればやはり掛け値なしに惹かれるものがあった。
それがただのリゾートアイランドではなく、長い間焦がれていた場所であれば、なおさらだろう。
石垣島の離島ターミナルから10分。
この、日帰りで行ける手軽さから沖縄の離島の中でも人気が高い。
そして竹富島へ
それが「竹富島」。筆者が長年憧れ続けた“重伝建の島”である。
ようやく来ることができた…。
島に降り立った瞬間、感極まってちょっと泣きそうになった。
港のそばのビジターセンターで島の地図を入手した。
有料だったことに驚いたが、観光協力金だと思えばむしろ喜んでもいいぐらいだ。
竹富港から集落までは約1.5km。バスを使う人が多いようだが、軽装だったし健康のためにはちょうどいい距離だったので迷わず歩くことにした。
だらだらと続くゆるい上り坂だった。センターラインのある舗装路が、集落に近づくに連れ先細って行き、やがて未舗装の道になった。
傍らの原っぱに目をやると、ちょうど黒毛和牛がもしゃもしゃと草をはんでいた。
あまりにも牧歌的すぎる…。
コイツもいつか肉になって食卓に並ぶのだろう。
もりもり食べて大きくなるんやで。
赤瓦の竹富郵便局。屋根にはシーサーが乗っており、なんと木造建て。
ここで郵便物を出すとき、窓口でお願いすれば竹富島の風景印を押してもらえるそうだ。
時は夕刻。17時を回ったあたりだった。
さすがに日没が遅く、3月と言えどまだまだ明るい。
竹富島はキャンプや野宿が禁止されている。最終便が出たあとの滞在は宿泊者のみに許された特権で、夜のビーチや満天の星空を体験したければ是非泊まることをオススメしたい。
3月とは思えないぽかぽか陽気。もちろんスギ花粉の脅威も皆無。
そしてあまりに美しい集落の景観。
―嗚呼、楽園は沖縄にあったのか
つい口元が綻んでしまうような幸福感に包まれながら、本日のお宿「民宿小浜荘」に到着した。
ウェルカムドリンクで出てきた濃厚なシークヮーサージュースを頂き、いよいよ沖縄の離島に来たことを強く実感した。
宿を選ぶとき、食事の有無をどうするか悩むことも旅の楽しみのひとつだ。
この日は“朝食のみ”にし、夜の竹富島を歩いてみたい思いもあって夕食は島をぶらぶらして探すことにした。
海に突き出した「西桟橋」は、美しいサンセットが望める夕日の名所。
何の嫌がらせか水平線だけが厚い雲に覆われ、何とも微妙なサンセットだった。
竹富島の名物は、養殖が盛んな車海老。エビフライや海老天そばも惹かれたけど、迷ったあげく豚肉にした。もちろんオリオンビールとともに。
民宿に戻り、寝る前にニュースやメールのチェックを済ませた。
今でもよく憶えているのは、この日はイチローが現役引退を発表した日でニュースはどこもこれ一色だった。
自分が中学生の頃から活躍していた稀代のスーパースター。「レジェンド」と呼ばれ、前人未到の記録と数々の金字塔を打ち立てた、日米で偉業を成し遂げた安打製造機がユニホームを脱ぐ。
事実の重さに打ちひしがれ、しばらく放心した思いで引退会見を眺めていた。
こうして、4時起きで長い長い一日となった沖縄遠征初日が終わった。
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コメント
ごぶさたしています、ああ、、、ここも一度行きたい、、、
去年千葉の災害時期、長期停電中に予約した奈良井宿泊まってきました。
ある意味逃亡!
何日ぶりの風呂はよかった、、、風呂上がりの街並み散歩は格別でした。
島キャパに対して観光客多いのですね、
現在コロナで観光業界破綻していますが今後ど~なるのかな?
現在セミリタイヤ中、毎日自宅でのんびりです。
お久しぶりです!
あのときの千葉は大変でしたね。
あぁ、夜の奈良井は最高だと思います。機会があれば泊まってみたい。
竹富島は、島民以外は入島を禁止してました。あのへんの離島は軒並みそうだったと思います。
観光で成り立つ島だからちょっと心配ですね。
コロナ落ち着いたら是非行ってみてください。