こんな名前じゃ…元貸席、別府の喫茶店「アホロートル」がめちゃくちゃ素晴らしかった

誰にも、好きな街のひとつやふたつはあると思う。
生まれ育った街だったり、長年住んでる場所だったり様々であろう。

筆者にも、そんなところがいくつかある。
そのうちのひとつが大分県の別府市である。

 

 

実は大分はおろか九州にも住んだことはなく、訪れて後天的に好きになったのが別府という街だ。
前々から、この街をじっくりと一日かけて歩き倒したいと思っていたのである。

※以前、先行して書いた以下2つの記事と時系列的には同じです

 

最近、時系列ガン無視で再訪系のネタが多めな当ブログですが、今日もちょっと新しめの話を。(本音としてはそろそろ戻したい…)   昨年11月、...
別府へ行こうとしたそもそもの動機だった。   およそひと月前。3泊4日の熊本~長崎方面の旅を終え、長崎空港のロビーから予約の電話をかけた。...
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別府入り

このときは確か三宮からバスに乗った憶えがある。
関西圏だと九州までバスで行けるので交通費が安くて助かる。関東にいた頃には決して享受できなかったメリットのひとつである。

別府海浜砂湯

別府に到着後、すぐさま路線バスに乗り換え。
混雑を回避するため、朝イチで「別府海浜砂湯」へ行った。

以前、鹿児島の指宿で砂蒸し風呂を体験した際に、そこのおっちゃんが天然の砂蒸しは指宿と別府にしかないと言っていた。
砂を温めるための高温な源泉、かつ海辺というロケーションが不可欠なためだという話だった。

少し熱いぐらいの砂に全身を埋められ、しばらくすると発汗が止まらなくなる。
デトックス効果で老廃物を排出する、極めて効果の高い入浴法であるが、、筆者は親しみを込めて土葬と呼んでいる。

別府のまちを散策

駅前高等温泉

この日は文字通り朝から晩まで別府のまちを歩いた。
別府は特に路地裏が素晴らしいので、こちらは別途記事にしようと思う。

温泉入って腹も減ったことなので、ひとまず食事にしよう。
と言っても行く店は既に決めていたのでまっすぐそちらへ向かった。

しかしながら、街並みが素晴らしすぎて足が全然進まない。
噂には聞いていたが、これほどポテンシャルの高い街だったとは・・

アホロートル

前回別府に来たとき年末で入れなかった喫茶店「アホロートル」が今回のお目当て。

そのときの記事はコチラ

浜脇遊郭跡を後にし、てくてくと別府駅方面へ向かった。 本音を言えば別府八湯すべてはしごしたかった(鉄輪だけ過去に入ったことがある)ほ...

やっと来れた…。

開店間もない時間帯に到着。
換気のためか、玄関と二階の窓が開け放たれていた。

ドアをくぐる。入口はさらに奥のようだ。

ここで靴を脱ぎ、中へ入る。
初めてだとちょっと迷うかもしれないが、お店は二階なのでスリッパに履き替えてそのまま階段を上がろう。

二階へ上がるとご主人と奥さんが出迎えてくれた。

 

席へ案内され、注文したあと中の写真を撮らせてもらうことに。

実はすごい歴史を秘めた建物だった!

このあたりは昔花街だったエリアで、ここは元貸席だった建物。
ここまでは知っていたが、建ったのは昭和初期というお話。

戦前は貸席旅館、料理と芸妓を手配して遊興に使われるいわゆる「待合」のことだ。
そして戦後はシェアハウスとして使われていたそうだ。

奥さんに尋ねてみた。

「そう言えば、アホロートルってどういう意味なんですか?」

「あぁ、マスターのこと(笑)」

 

一瞬きょとんとしてしまったが、“ロートル”とは老人の侮蔑用語なのだそうだ。
つまり、アホな老人のこと。

旦那さんにこんな軽口を叩けるなんて素敵なご夫婦だな、と。

 

近所のご老人たちも、笑いながら「こんな名前じゃ僕ら行けないじゃん!」なんて言ってくるそうでなんだかほっこりする話だった。

また、アホロートルってウーパールーパーの別名らしく、意味としてはそれもあるとのこと。
お店とウーパールーパーにどういう関係があるのかはよくわからなかったけど(笑)

古い木造家屋ということで、店内は和を基調としたほっとするような雰囲気。
こんなところで食事ができるのはすごい贅沢。

案内されたのはテーブル席ではなく、こちらの和室。
下から見たときに窓が開いてた、路地に面した部屋だった。

この部屋には貸席時代ののれんが壁にかけてある。ものすごく貴重なものだと思う。

すゞやの屋号

しかしこの建物、ただの貸席旅館ではなかった。もうひとつ、すごい歴史を秘めていたのである。

 

「吉永小百合さんを売り出した若杉光夫監督のご生家なんです」

 

若杉光夫監督は戦後活躍した映画監督で、「風立ちぬ」「ガラスの中の少女」などの代表作がある・・らしい(この時代の映画は疎いのですいません)

監督のおじいちゃんが建てたと伺ったものの、1922(大正11)年生まれなんですね・・あれ、昭和初期ではないぞ・・?

この辺ちょっと記憶が曖昧なんだけど、ここ、建物が二棟くっついてるようになっているので、古いほうがその当時からあったのか、もしくは昭和初期に大規模な改築をしたか・・

(気になる方はお店に行って尋ねてみてください!)

思いがけず貴重な話を聞き、建物の歴史に思いを馳せることができた。
いやぁ来てよかった。

もし別府に住んでたらかなり頻繁に通いそうな気がするな…。
とても居心地よかったので。

古い建物には長い時間をかけて蓄積された物語があって、それを後世に紡いでいくのはとても素晴らしいことだと思う。

ここで過ごした方々と同じ場所で、同じ空気に身を委ねる。歴史の一端に触れる瞬間は、現代で生きる我々にとって何より贅沢な時間であるような気がする。

そして絶品のナポリタンを

アホロートルの看板メニューはカレーなのだが、この日筆者がオーダーしたのはナポリタン。(すごく迷った)

ナポリタン on 鉄板、生卵のせ!

結局どれ頼んでも美味しかったんじゃないか説なんだけど、最高のナポリタンでした。

次に別府に来るときも、その次に来るときも足を運ぼう。喫茶アホロートルは、素直にそう思えるお店でした。

いつになるかわからないけど、今度はカレーだな。

[訪問日:2019年11月2日]


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