飛田新地の東門に突如現れた椎名桔平(似のおじさん)。
話を聞くと、生まれも育ちも飛田だと言う。そして、怒るどころか親切に色々教えてくれ、さらに「写真も撮ってきたらえぇ」
え?いいの?(・∀・)
以下、桔平氏の話を要約すると
・ここには昔遊郭があった(へーそうなんですか、と知らないふりをしておいた)
・百番の裏手のほうに遊女の慰霊碑がある。飛田では方角的に一番悪所になる
・何年か前までは遊郭時代のものが色々残っていたが、嘆きの壁以外はみんな壊してしまった(過去を葬り去るため、みたいなことを言ってた気がする)
ちなみに、前頁で紹介した動物園前二番街の壁の場所を教えてくれたのも他ならぬ桔平氏である。
慰霊碑は、実は先刻寄ってきたのだが、陰湿な空気が肌をなで、鳥肌が立つようなぞわぞわっとした感覚を覚えたので、手を合わせてすぐその場を後にしたのだ。
思えば無数の浮かばれない遊女たちが眠っているのである。何か感じるものがあったのかもしれない。
いざ新地の内部へ
さて、地元の方のお墨付きをもらったので早速新地の内部を散策してきた。
なお、写真は営業時間外の早朝に撮影している。
営業時間内に街の風景を撮ったり、料亭、ましてやおばちゃんや女の子にカメラを向けることはご法度とされているのでご注意願いたい。
新地東側にある嘆きの壁。こうして見るとかなり高いことが分かる。
ちなみにこの壁が西成区と阿倍野区の区境になっている。
改装した雰囲気がないので、遊郭時代から残る建物であろうか。
店を閉じてしまっているようにも見えるが、屋号があるので現役のような気もする。
【2019年10月追記】
こちらの満月さんですが無情にも取り壊されてしまいました。心よりご冥福をお祈りいたします。
実はわざわざ早朝に来るために、新地の敷地から徒歩1分のホテルに投宿していたのである。
この計画性をもっと他のことに活かせばいいのに。(棒読み)
赤線時代のカフェー建築もいくつか見られた。
黄緑とピンクのタイルがあしらわれた、転業アパートのようである。
こちらも同様。
隅々まで歩いたわけではないので探せばまだ見つかったかもしれないが、なんせ緊張しっぱなしの飛田は歩くだけでエネルギーを使う。
そして地味に広いので、すべての路地をくまなく歩くことは断念した。
思わず「うおぉすげぇ」とか口走ってしまったのがこちら。
赤!?
「興奮色」という言葉が大正時代にあったのかはさておき、「赤色」が気持ちを高ぶらせる作用を持つことはやっぱり昔の人もわかっていたんでしょう。
無人の料亭街。
道路が濡れているのは、そこかしこで住人が打ち水をしていたから。ここの風習なんでしょうかね。ちょっぴり涼しくなった気がしました。
早朝の料亭。
最後に「鯛よし百番」を紹介して本記事のまとめとしたい。
桔平氏と出会った階段の上から見えていたあの建物である。
前夜に撮影した百番の夜景。
運悪く定休日の月曜にあたってしまったので消灯している。でも提灯はついてるんですね。間引き点灯だけど・・。
もはや説明不要なくらい有名な建物だけど、簡単に紹介を。
1918年(大正7年)に建てられた、見ての通り元妓楼(ぎろう)。もうそろそろ100歳ですね。
防止法の完全施行とともに料亭になり、現在では完全予約制、文字通り「一見さんお断り」のスタイルで営業している。
ちなみに我が国の登録有形文化財に指定されている。
飛田遊郭では、大門のそばに「一番」という店があり、奥に行けば行くほど格式と番号が上がっていったそうで、『百番』は数字が示すとおり超高級店のひとつであった。
先に紹介した「御園楼」が高級店だったのも、大門通りの最も奥にあったという立地が示すとおりである。
残念なことにまだ登楼・・じゃなかった、入店したことはないのだが、なんせ元遊郭である。
内部がめちゃめちゃゴージャス・・なのは各種ブログなどを散見すれば一瞬で理解できるのではないかと思う。
安西先生・・百番に行きたいです(T_T)
※2017年8月、ようやく中で食事することが叶いました。記事も書いてます。
今まで様々な色街を歩いてきたが、これほど突き抜けて特異な街はなかったように思う。
それは、町並み、時代背景、風評、幾つもの因子が凝り固まって作り上げられた「虚像」なのかもしれない。
でも、それこそが飛田という街のありのままの姿であり、来年で100年を迎える、長くそして深い歴史を有する街の紛うことなき「実像」ではないかと思う。
コメント
大阪の新地は松島しか行った事が無いのですが、
飛田はとんでもない美人さんが居るとの事で、
一度御世話になりたいと思いつつ数年が経過してます。
記事にも書かれてましたが、特定の場所は治安が良くない・・・。
(新地内は治安は逆に良い)
通りのネーミングも触れて欲しかったです(笑)
『青春通り』『妖怪通り』『年金通り』
ねこさんの仰る通り、両者はレベルに差があるようです。
飛田でトップを狙えない子が松島に行く、といったことをどこかで聞いたことがあります。
通りのネーミングは・・
風俗紹介サイトではないのでそこはあえて触れませんでした^^;
はじめまして。
私もどうしてもこの目で見たくて、新幹線に乗って夜の飛田新地に行きました。
百番に予約の電話を入れてお鍋を食べました。
美人なお姉さんが強めのライトに照らされていました。怖くて一瞬しか見られませんでしたが。
道を歩くおじいちゃんにからかわれたのもいい思い出です。
アイコさん
コメントありがとうございます。
私はまだ中に入ったことがないので素直に羨ましいです。
新地内は、初めての人にとっては非現実感がすごいですよね。あと、女性が歩くとおばちゃんに注意されるらしいので気をつけてくださいね。