思えば不憫な話である。
生涯行くこともなければ接点すら持たない例えば北海道の最果てに住むような人でも、名前だけは社会の授業で聞いたことがある。
おわかりだろうか。三重県の四日市と言うのは、消えない十字架を背負った街なのだ。
かれこれ50年ぐらい前の話だし、まさか今でも、なんて思っている世間知らずはいないであろう。だが、そんな風評被害のランカー都市である四日市には、レトロ商店街の真髄とも言えるマニア垂涎の聖域があるのだ。
今日はそれを紹介したい。
すでに周辺のまちなみが渋すぎる
JRの四日市駅を出て北へ徒歩1分。とても徒歩1分とは思えないこの昭和じみた一角に本日の目的地、「三和商店街」がある。
その前に、周辺の渋すぎる町並みにいたく胸を打たれたので、はやる気持ちを抑えてまずはそちらから見ていただきたいと思う。
四日市と言えば、三重県で一番栄えているという共通認識を持たれている街であるが、それはあくまで近鉄四日市駅の周辺であって、JRのほうは百貨店どころか駅ビルすらない。
聞こえてくるのは閑古鳥の鳴き声ばかりである。無理もない。三重県は近鉄王国なのだ。
デベロッパーから見捨てられたJRのほうは、近代化のレールから完全に逸れた結果今でも町並みが昭和のそれを忠実に保っている。
このパーラーイトウは、昭和21年開業の純喫茶。
昭和26年創業の四日市温泉。黄土色の外壁が凄まじい渋さを放っている。
なお、関東圏の人にはなじみがないと思われるが、関西圏では銭湯に「○○温泉」の名を冠する文化がある。理由は知らない。
駅の周りだけでも記事1個書けるぐらい、総じて建物のレベルが高い。だが、この程度で満足してはいけない。それは主役の名誉を傷つける行為に等しい。
では、そろそろご登場願おう。
どどーん。
三和商店街。真打ち登場である。
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コメント
確かに、映画のセットですね。
どちらにしても、台風などで倒壊しそうですね。
そうですね。見に行くなら早いほうがいいですよ~