前回津山に来たのは2018年も終わりに差しかかった寒い日だった。
城下町、とりわけ城の東側にあたる重伝建の城東地区を歩いた。
その2年後、2020年12月に今度は反対側の城西地区が重伝建に選定された。
あのとき一緒に歩いとけば二度手間にならずに済んだのに、、と舌打ちしたい気分だったが、実は津山には泊まりたい宿があったので逆に行く用事が出来てラッキーだった。
いつだって明暗を分けるのはこの伝家の宝刀、リサーチ不足である。
そんなわけで2年半ぶりの津山城下町。
城西地区も城東と同じく、保存地区のメインは出雲街道沿いのエリアとなる。
今の住所で言うと、街道筋は坪井町、宮脇町、西今町、茅町にまたがっており、さらに西寺町
と小田中の一部を含む何ともいびつな形をしている。
ほぼ長方形をしている城東とは様子が異なるようだ。
さて。ここでおさらいをすると、城東はかつて商家町だったエリアだった。
じゃあ城西はと言うと・・
こっちも商家町なのである。
そう、街道筋は。
ところが、出雲街道の南側、いびつな形の理由となった西寺町は少々趣が異なっている。これについては後ほど触れることにしよう。
作州民芸館
という訳で、まずは街道筋から見て行こうと思う。
城西のランドマークとも言えるのがこの『作州民芸館』、旧土居銀行津山支店である。
伝統的な商家建築が点在する出雲街道沿いで、強烈な異彩を放っている。
明治42(1909)年の建物は今年で113年。
平成9年には国登録有形文化財に登録されている。
“作州民芸館”と言う名の通り、内部では地域の民芸品や郷土玩具などが展示されている。
二階へ上がってみよう。
二階は城西地区の歴史が紹介されたパネルが展示されていて、各地区について学ぶことができる。
入館無料でまち歩きのパンフレットもここで手に入るので必ず立ち寄ろう。
ちなみに筆者はここにクルマを停めさせてもらった。(一応ひと声かけたが開館中なら問題なかろうと思う)
作州民芸館を出たら、時計はすでに16時を回っていた。
今夜の宿は二食付きにしていたので、遅くても17時半ぐらいには到着したいところだ。
となると、あと1時間ぐらいか。ちょっと巻き気味で行かねば。
お次は、出雲街道の北側へと向かった。
もうひとつ、城西ツートップと呼ぶべき建物がある。
城西浪漫館
理由は不明だが、厳密には重伝建のエリア外となるこの近代建築。
大正6(1917)年に建てられた『城西浪漫館』(中島病院旧本館)である。
正面のドームが特徴的な石造りの木造二階建て、屋根や窓の細かい装飾は“THE・大正ロマン”と呼ぶべき珠玉の建築である。
なんでも、津山市内で最も古い病院建築物だそうだ。
作州民芸館同様、こちらも平成22年に国登録有形文化財に登録されている。
さらに、入館無料で閉館が17時なところも共通している。
あまりもったいぶってもアレなので、じゃあまぁそろそろ中へ入りましょうか・・w
白を基調とした内装は元病院ならでは。
二階には、津山城の天守台が展望できる造りになった部屋があった。
現在は再建した備中櫓が遠く見える程度で、特別感動するわけでもなく。
1階は「まちの駅 津山城西浪漫館」と言うカフェになっていて、お弁当やお菓子、オリジナルグッズが販売されているので是非立ち寄ろう。
ここいらで一旦区切りましょうか。
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