表と裏の分岐点。時代を彩った静かな町、朝来市矢名瀬町を歩く

兵庫県
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竹田城で有名な兵庫県朝来市の中心部と言えば和田山になるが、ひと駅離れた「梁瀬」は山東町(合併して朝来市となり消滅)の中心だったまちだ。

駅は「梁瀬」だが地名は「矢名瀬」となるこのまちには、かつて街道の分岐点として但馬地方の玄関口の役割を担った繁栄の歴史がある。

その場所は国道9号線と427号線に挟まれた、磯部川と柴川が合流するあたりとなる。

矢名瀬は但馬から丹波、京都を経て奈良へと続く「山陰表街道」、矢名瀬を起点に京都亀岡へと向かう「山陰裏街道」、さらに西国の巡礼者が姫路の書写山圓教寺から天橋立の成相寺を目指した「なりあい道」の3街道の結節点となって栄えた。

また、遠阪峠を目前に控えることから、江戸時代には本陣が置かれるなど宿場としても賑わった歴史があるそうだ。

ちなみにこの古そうな町家は矢名瀬陣屋
古い空き店舗をいわゆる観光拠点として整備したものだと言う。

この陣屋の前の道が山陰表街道。

左手の道を進むと427号線にぶつかる。

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昭和こども館(旧天野商店)

ひとつ前の写真のチラ見せが気になった方も多いのではないだろうか。
こちらは旧天野商店の空き店舗を活用し、ミュージアムに生まれ変わったその名も「昭和こども館」。

この日はあいにく開いてなかったのでまた今度但馬方面に行くことがあれば立ち寄ってみようと思っているが、なかなか用事ができないのが悩ましいところ。

さらに!
すぐ近くには「ふじおミニ鉄道資料館」という、明治以降の鉄道関連を展示したミュージアムもある。
こちらは不定期の開館となるようで、電話番号が書いてあった。
おおかた、電話したら開けてもらえるシステムのような気もするけど。

このあたりがかつての商店街だったようで、なんとも味わい深い町並みが残っていた。

「竹泉」は但馬を代表する銘酒。

この宮谷商店さんの佇まいがあまりに渋すぎて…頭をハンマーで叩かれたような衝撃だった。。

その先の緩やかな蛇行っぷりもいかにも旧街道っぽくて良き。

今度は山陰表街道を梁瀬駅方面へ向かう。
磯部川を越えたところで雰囲気ががらりと変わり、いかにも「豪商の屋敷です」と言った趣きの豪奢な家並みが始まる。

景気よく上がった卯建に往時の繁栄が反映されている。なんちゃってw(すいません)

卯建の向かい、ベンガラっぽい色の塀がまたすごい。
ここから視点を左に振ると

こうなって、まだ左へ続く。

そして、T字路で曲がり、まだまだ続く。

この豪邸は一体・・

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田治米合名会社

塀が切れたところに入口を発見。
実はここが例の「竹泉」を醸す田治米合名会社さん。

江戸時代、1702年創業の由緒正しき造り酒屋。

まったくどうでもいい余談をここですると、何年か前に筆者が初めてふるさと納税をしたのが実は朝来市で、返礼品に選んだのが竹泉の純米酒だった。

そんな縁もあり、なんだか妙に感慨深い瞬間だった。
ちなみにこの日は酒蔵はお休みでお土産は買えずじまい。。

田治米さんの前にも、いかにもな旧家が残っていた。
実はさっきのT字路を曲がったこの道が「山陰裏街道」。

ここを少し行くと9号線にぶつかる。

田治米さんのすぐそばには「但馬」の銘柄で有名な此の友酒造さんがある。(右側)
こっちはこっちで閉店時間を少しだけ過ぎていたためにやはり買えず。。

竹泉も但馬も、このエリアでは酒屋や道の駅に行けば普通に置いてあるんだけど、直接蔵元で買いたいと思うのがやはり酒飲みの性なのかなと。

なお、矢名瀬には最盛期には酒蔵が6軒あったそうだが、今は2軒のみ。

 

国道から少し入ったところに、いくつもの時代を超えてきた静かな町並みがひっそりと残っていたのが印象的だった朝来市の矢名瀬。

また行かなければ。いつの日か・・

[訪問日:2021年5月4日]


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