越前大野の城下町には一般公開されている武家屋敷が2棟ある。
ひとつめが、1827年に建てられた旧田村家。
藩の家老「田村又左衛門」の屋敷である。
武家屋敷旧内山家
そしてもうひとつが藩の財政再建に大きく貢献した家老、内山良休・隆佐兄弟を輩出した旧内山家。
両方はいいかな・・ってなってなんとなくこっちを選んだ。
その内山兄弟の偉業を伝えるために屋敷を解体復元したものが今の旧内山家とのことで、母屋が明治15(1882)年、離れが大正時代の建物だそうだ。
母屋から庭を眺める。
季節感おかしいけど行ったの夏なんで…。
で、こっちが離れ。
夏は障子が夏仕様になり、障子越しに庭と城を眺めることができるという憎い演出。
こんなところで一日中ゴロゴロできたら最高だろうなぁ・・
これは・・何だろう。謎です。
母屋から二階へ上がってみる。
天井が「船底型」と言うドームチックな感じになっているが、これは元々物置だったのを生活空間にリフォームしたから。
まっすぐにすると天井が低くなってしまうため、屋根の形に合わせて天井を張ったのだそうだ。
物置のままで残るのがこちら。
荷上げ、荷降ろしのための開口部と滑車が残る。
台所。
外に出ると「味噌蔵」と書かれた蔵が。
食品の保存のために使っていたんでしょうね。
名水のまち大野
冒頭触れた通り、大野市はとにかく水に恵まれた土地で、湧水スポットがいくつもある。
なんと、今でも市内の多くの家庭では地下水を直接汲み上げそのまま利用しているのだとか。
もちろん飲み水から料理、風呂の水まで生活用水として。
いいな~。実質水道代タダってことじゃん🥺
なんせそのまま飲めるってのがすごいよね。
軟水で口当たりも優しく、水温は年間通じて約15℃と安定。
市内に造り酒屋が数軒あるけど、それがこの町のすべてを物語っている気がする。
名水百選に選ばれている「御清水(おしょうず)」。
野菜洗い場。「洗たく場」も隣にあったけど、きっとそういうことなんでしょう。
本当に水と関係の深い町で、それが人々の生活に根付いている。
せっかくだから水汲んで帰ろう。
雨水が混ざっちゃってるけど細かいことはまぁいっか・・
おあつらえ向きにペットボトルが空いたので、600mlほど頂戴することに。
ラベルは「天然水六甲」。参ったな、これじゃ産地偽装だよ。。
もやもやした気持ちのまま、地酒を1本買って「北陸の小京都」の散策を終えることにした。
相も変わらず雨はざーざーと降り続いていた。
[訪問日:2021年8月12日]
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