今庄宿の中ほど、仲町にひときわ異彩を放つ「昭和会館」がある。
昭和5(1930)年に建てられた3階建てで、国登録有形文化財にもなっている。
この昭和会館は、今庄の発展に尽力した田中和吉という人物が、晩年に私財を投じて建設したものだと言う。
宿泊できる研修施設として、その後は今庄町の役場としても使われ、現在は公民館として利用されているそうだ。
昭和会館の立つ場所はもともとは脇本陣だった。
ちなみにこの斜向かいが本陣跡で、今は庭園のような広場になっている。
天保年間建築の旅籠若狭屋(国登録有形文化財)。
ベンガラ調の格子が美しい。
現在はおそば屋さん。宿場内は食事処が少ないので、実質ここ一択じゃないかな、と。
若狭屋の先に、なんかすごそうな建物が出てきた…。
それがこちら。盛大に卯建が上がっている「京藤甚五郎家」。
江戸時代は酒造業を営みつつ脇本陣にも指定された、今庄でも屈指の旧家だそうだ。
中見たかったんだけど、実は河野の北前船主通り同様、今庄も当初の予定にはなくてあまりのんびりできんかったという事情があって…。
最後、四軒目の造り酒屋が最も歴史が長い堀口酒造さん。
なんと創業は元和4(1618)年。江戸初期!
さすがに越前屈指の宿場と言われただけありますなぁ。
ここまで宿場風情が味わえるとは正直なところ思ってなかった。
今庄で泊まってこれから峠越えですか。
…え?そんな軽装で?
そうですか。険しい道ですのでお気をつけくださいね。
どうぞ達者で。
※フィクションですw
旧西尾茂左衛門家(御札場跡)。
御札場(おふだば)とはつまるところ両替所のこと。
福井藩は藩札しか使えないように規制していたので、藩の南端にあたる今庄に御札場が設けられたとのこと。
ここで金銀と藩札の両替が行われていた。
御札場跡の先が古町。
この辺まで来ると伝統的建造物もほとんど見られなくなってくる。
古町と新町の間にも矩折がある。
見事なまでに先が見通せない。
新町側から。
一応最後まで歩いたけど、見どころとしてはここまでで十分かな、という感じだった。
そろそろずらかりますか。
最後に白状するとですね。
(河野と)今庄に来たのはたまたま道の駅に置いてあったパンフレットで知ったからで、最近重伝建になったのも実は現地で知ったというオチ。
最初これ見たとき「え?」ってなって、慌てて調べてみたら「そうなのか!」とw
棚ぼた的にまた来る手間が省けてよかった、と胸をなでおろしたんだけど、まぁ結局訳あって一年後に再訪することになるんですが(笑)
で、再訪したときに買ったのが今庄の地酒飲み比べセット「歴史が醸す四蔵元物語」。
酒蔵の屋号が素敵すぎて、ほぼパケ買いw
まぁまぁいいお値段したけど、飲兵衛の方は是非。
駅構内のみやげ屋で買えます。
[訪問日:2021年8月15日]
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