若桜街道の宿場町。若桜町若桜で歴史さんぽにくり出そう

鳥取県
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今日は、実に6年ぶりとなる鳥取の話を。

ちょうど2泊3日の日程で山陰方面へ出かける予定を立てていたところに、鳥取県の若桜町が「重要伝統的建造物群保存地区」になったというニュースが飛び込んできた。
一昨年の8月のことである。

おおぉ、なんてタイムリーなニュースなんだ。
この瞬間、若桜を旅程にねじ込むことが必然的に決定した。

それはすなわち、約6年ぶりの再訪を意味することでもあった。

そう言えば前回の鳥取行も雨に降られたっけな。。

あゝ 鳥取は今日も雨だった~♪

鼻歌交じりにやってきた若桜町は、かつて筆者が『昭和おもちゃ館』を訪ねるために遠路はるばるやって来た町だ。

レトロだっちゃ!鳥取「昭和おもちゃ館」へ正義のヒーローに会いに行こう
鳥取県若桜町。姫路と鳥取をつなぐ若桜街道(国道29号線)の宿場町として栄え、現在は鉄ちゃんにおなじみ...

あのとき町並みも一緒に撮っとけば二度手間にならずに済んだのにさ・・おまえ馬鹿なの?などと罵詈雑言を並べたところで、あの頃の筆者は“遊郭・赤線跡”と“昭和レトロ”に夢中で、古い町並みはよっぽど有名なところじゃなければ見向きもしない残念なミーハー野郎にすぎなかった。

まぁ、人の気持ちは移ろうもの。
百年の恋も冷めるように、長年やってれば嗜好も微妙に変化する。

結果的に、“町並み”の歴史や建物に関心を持ち、多少なりとも造詣を深められたこのタイミングで来れてよかったように思う。

役場には重伝建選定を祝う横断幕が掲げられていた。
こういうの見るとなんか無性に応援したくなるのよね。

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About 若桜

若桜鉄道の終着駅である若桜町は、かつては姫路と鳥取をつなぐ若桜街道(国道29号線)の宿場として栄えたまちである。

17世紀初期に廃城となった鬼ヶ城の城下町を起源に持ち、江戸時代に宿場として整備された。

姫路と鳥取を結ぶ街道と言えば「平福」や「大原宿」を経由する因幡街道があるが、若桜街道は脇往還の位置づけにあたり、こちらも因幡街道と呼ばれる。
現在若桜街道と呼ばれるのは、文字通り若桜がある鳥取側の一部区間のみだそうだ。

かつての酒蔵か醤油蔵だろうか。「醸造元」の文字が見える

若桜宿は宿場としての機能を有しつつ、物資の集散地として栄えた商業のまちだった。
その証拠に、重伝建の種別は城下町でも宿場町でもなく「商家町」となっている。

若桜では明治18年に大火があり、宿場のほとんどが焼失。
今に見られるのはその後復興した町並みであるが、防火対策の観点から道路を拡幅するために土台を引っ込め、「仮屋(かりや)」という庇を設け、さらに川(「カワ」)を付けることが取り決められた。

仮屋

メインストリートが「仮屋通り」または「カリヤ通り」とも呼ばれているように、若桜宿における最もシンボリックな景観となっている。
雪や雨の日に傘をささずに歩けるように造られたカリヤは、昭和初期には約800m続くいわゆるアーケードの様相を呈していたと言う。

役割的には青森県の「こみせ」と同じ類と言えよう。

藩政時代からの商家町 黒石・中町こみせ通り
青森県黒石市の中町に、重伝建(重要伝統的建造物群保存地区)に指定されている「こみせ通り」がある。 指...

若桜民工芸館

無論、カリヤの誕生には若桜が豪雪地帯であることにも深い関係があろうと思う。
この地方は冬には洒落にならないぐらい雪が降る。

「若桜民工芸館」が一般開放されていたのであとでじっくり見ることにし、ひとまず先へ進む。

若桜の建物は基本的に平入りで、明治に建てられたからか中二階と本二階が混在していた。
特徴としては格子やなまこ壁がよく見られる。

近年とんかつ屋になったように見えるこちらの建物には、おなじみの「登録有形文化財」プレートが。

お久しぶりの昭和おもちゃ館。
元気そうで何より。

(前回はここで買った駄菓子が晩飯になったっけな…w)

保存地区は仮屋通りに沿って約1km続く。
程よい距離で歩きやすい。

かりや横丁。
典型的なうなぎの寝床スタイルで奥へ仮屋が続いていた。

洋風建築がガッチャンコ。
何これカッコいい(*・ω・*)

太田酒造場

造り酒屋さん。

仮屋がないと雨の日がどれほど大変か、身をもって理解できました。
本当にありがとうございました。。

あってもどうせ写真撮るから真ん中歩くんだろ?って話だけど

立派な蔵だ。
そう言えば商家町にしては蔵が全然見当たらなかったような・・?

(この答えはもう少し先で)

「若桜迎賓館」と物々しい名前が付けられたこちらは昭和9年築の古民家を改修したもので、多目的な交流施設としてイベント、展示、研修などで活用されているそうだ。

なんだ・・超VIP御用達のすごい建物かと早とちりしてしまったじゃないか。

カリヤ通りはここまで。
続いて駅寄りに並行するもう一本の路地をご案内。

(2ページ目へ続く)

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