神戸は巷では“お洒落な港町”だと認識されているが、それはメディアによって刷り込まれた一種の固定観念で、残念ながら本質を捉えているとは言い難い。
アバウトに言えば市の北半分は農村地帯、西半分は田園地帯である。
今日はその農村地帯のほう、北区にある「淡河」の話をしようと思う。
神戸でも屈指の難読地名である淡河町。
「たんが」と読みたくなるところだが「おうご」と読む。
とは言え、山陽自動車道の淡河PAを知っている方には簡単だったかもしれない。
この淡河町は、豊かな里山風景が広がる農村で、今なお茅葺き民家が数多く残っている。
かつて王子動物園で飼育されていたジャイアントパンダのタンタンの餌に、淡河町でとれた竹を使っていたのは有名な話である。
前置きが長くなったが、この淡河町には三木市から有馬温泉へとつながる湯の山街道が通っており、宿場が置かれていた。
その淡河宿をぶらぶら歩いたのが今日の話。
なお、湯の山街道については前に三木を歩いたときにも触れているので以下を参照されたい。

淡河宿だった場所は、淡河町の中心部である国道428号と県道38号が交差するあたりで、湯の山街道は県道の少し北側を並行する形で東西に伸びている。
いかにも古そうな風格のある建物や土蔵が、宿場だった時代の名残を今に伝えている。
発祥は湯治のための道であるが、江戸時代には参勤交代にも使われ、諸国の大名たちがここを往来し賑わいを見せた。
そーいやいつか三木から有馬温泉まで歩き倒そうと思ってたけどまだ実現できてないなぁ。
トタンで覆われた茅葺き民家。
街道沿いには茅葺き屋根は一軒もなく、脇道に入ったところに一軒だけあった。
実は北区には約670棟(2022年調査)もの茅葺き民家が現存している。
神戸のイメージを正確に伝えたいのは、これも動機のひとつだったりする。
旧街道は途中で428号線とクロスする。
全長400mほどと短く、これと言って特筆すべき建物はなかったりする。
ただ一軒を除いては。
淡河宿本陣跡
淡河宿には、江戸時代から残る旧本陣だった建物が現存している。
戦後間もない頃から半世紀ほど空き家になっていたが、2015年に地元有志が保存会を立ち上げ、再生に成功。
現在は地域のコミュニティスペースとして活用される他、「本陣なな福」というカフェレストランとして営業している。
2021年に公開された映画『るろうに剣心』のロケ地としても使われ、これは当時結構話題になっていた。
立派な主屋に日本庭園もあり、とにかく雰囲気が良いので全力で推したい場所のひとつである。
さっきタンタンの話をしたけど、淡河町は放置竹林も結構多くて、竹林の整備を目的に竹細工の製作を行うワークショップをやってる団体があって、その取り組みに共感したこともあって筆者はそこに一時期よく顔を出していた。
本の取材で多忙を極めるようになって残念ながらフェードアウトしてしまったけど、良い人が多くて居心地がよかったので今でもたまに思い出して懐かしんだりする。
で、その活動場所がここ本陣跡だったので、個人的に思い入れが強いのはそういう理由もあり。
本陣なな福は2021年に食事をしに行ったのが最後で、さすがに時間が経ちすぎてるので実は今日、この記事を書くために5年ぶりに再訪してきた。
なのでこの写真とかは今日撮ったやつです(笑)
本陣跡自体も久しぶりだったけど、特段変わったところはなかったかな。
前回は中庭に面した縁側の席にしたので、今日は正面の庭園に面した縁側の席を選んだ。
この写真の一番奥の席。
ここは釜飯が名物で、メニューも価格も結構変わっててだいぶ値上がってたけど、今日はこちらの「炭火鶏と山菜の釜飯」をオーダー。
味は確かなので、機会があれば是非足を運んでみてください。
あと、淡河町は農家さんが多いのだけれど、施設内で産直野菜売ってるのでこれもオススメ。
かなり安く買えますよ。
おしまい。
[訪問日:2022年6月19日、2026年10月18日]






















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