伊豆半島の付け根、静岡県伊豆の国市に「伊豆長岡温泉」という温泉街がある。
三島から伊豆鉄道駿豆線で20分あまり、東京から新幹線に乗り込めば1時間半ぐらいで行けるお手軽な温泉である。
以前二度ほど湯治で訪れたことがあるその伊豆長岡に久しぶりにやってきた。かつて赤線が存在した街並みを眺めるのが目的である。
ここは歩く気が削がれるほど駅から遠いので、電車のときは迷わずバスを選択。
伊豆長岡温泉は、古奈温泉と長岡温泉を合わせた温泉郷で、メインなのは奥にある長岡温泉のほう。手前の古奈温泉だったら駅から歩いてもいいかな、って思えるぐらいの距離。
昭和レトロな路地が残る
いつものように『全国女性街ガイド(昭和30年)』から引用。
長岡と古奈の温泉を合せて芸者が約百名。あまりいい芸者はおらず、修善寺から遠出をつけてくる芸者もいる<時間、泊り共に修善寺と同じ>。
赤線は駿豆鉄道長岡駅附近の新開地に約十軒、温泉場中に分散して三十軒。
30軒…結構大規模な赤線地帯だったようである。
そそられる路地があったので入って行くと、昭和の幻景とも呼べる激渋な町並みが出迎えてくれた。このあたりがかつての盛り場の中心地だったようである。
今はもう廃墟同然のあばら屋が佇むのみ。盛者必衰である。
静岡県のバーの鑑札はMt.富士。これ初めて見た気がするなぁ。
18才未満うんぬん、のくだりももはや文字がかすれて読むのが難儀になっている。
「一路」…店名もどことなく渋い。
こ、これは・・凄まじいレトロ感に打ちひしがれそうになる。
往時は週末ともなれば、物すごい人通りで熱気にあふれ返っていたんだろうな。
このメインストリートも、ここ何年かで昔の建物が姿を消してしまったようなので、訪れるならなるべく早いほうがいいかもしれない。
レトロ好きはこの通りだけ見ればだいたいOK。
好色漢の方はバス通りまで引き返しましょう。
温泉街に点在するスナック。夜な夜ないかがわしい遊びができるという噂のアジアンスナックである。ここはもう昔から有名だし、ルポ系の本をはじめググればわんさか情報が出てくるのでここでは割愛する。
興味のある方は夜にでも行ってみてください。
今にも崩れ落ちそうなアーチが残っていた。内部は撮ってなかったので大した見どころがなかったんでしょう。すんません覚えてない(汗)
で、この伊豆長岡温泉。アングラな遊びができることでも有名だけど、合法な遊びができることでも有名。
つまるところ、ピンクコンパニオン宴会である。
関東圏では山梨の石和温泉と不動のツートップを形成する場所で、まぁ料金がお高いことでも有名ですが、ほうぼうの体験談を読むとなかなかに興味深い。
金銭的に余裕のある方は是非とも体験されてみては。
温泉旅館が立ち並ぶ通りにも、前時代的な建物が残っていた。
世間はまだ正月休みのはずだけど、月曜だったせいかこの通りもかなり閑散としていた。
伊香保にしろ鬼怒川にしろ熱海にしろ、東京の奥座敷と呼ばれ一世を風靡した温泉街が目も当てられない状況になっていることを考えると、長岡はまだマシなほうなのかもしれない。
でもそれは歓楽色でもってるようなもので、それがなくなったら坂道を転げ落ちる勢いで衰退していくような気がしてならない。
現にこうして廃業したホテルもあったぐらいだし。
いつまでも個性(ピンク)を失わないことを切に願う。
おまけ。伊豆長岡には珍しい温泉神社があるのでちょっと見てきた。
温泉の神様?ご利益は何なのか…謎です。
興味のある方は足を運ばれてみては。
[訪問日:2016年1月4日]
コメント
machii.narufumi 様
数年前の話で恐縮ですが、あの一帯に行った知り合いによると、お相手したのはアジア系だったそうです。内容はご想像の通り、決していいもんではなかったとか。
アジア系・・やはりそうですか。内容は図りかねますが、やっぱり言葉の壁なんでしょうかね。私はこういうところは入らないのでまったくイメージが湧かずで・・申し訳ないです。