彦根市 河原町芹町地区の町並み

滋賀県
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2016年7月25日、彦根市の「河原町芹町(かわらまちせりまち)地区」が重要伝統的建造物群保存地区に選定された。
ちょうど滋賀に行く三日前の出来事だったので、なんてタイムリーなニュースなんだと。

そんな経緯で足を運ぶことになった河原町芹町地区は、旧町名で並べると北から川原町、袋町、安清町(やすきよちょう)、善利新町(せりしんまち)。遊里があった袋町の北側が、今回保存地区に指定された場所になる。

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中山道と城下町をつなぐ街道だった

河原町芹町があるのは、現国道8号線である中山道と彦根城をつなぐかつて「彦根道」と呼ばれた街道筋。
元々芹川が流れていたのがこの通りで、川を付け替えて道をつくった関係で道路がゆるやかに蛇行しているのが特徴。

城下町の範囲では南東の隅にあたる、町人地である。17世紀末には米屋、油屋などの商家が軒を連ね、特にたばこ屋が多かったという。

幅二間の道幅や区割りはほぼ当時のままで、約780mにわたる保存地区には江戸時代から昭和初期に建てられた町家が約90軒残っている。

保存地区の範囲は、「久左の辻(きゅうざのつじ)」と呼ばれる銀座町交差点から、ひこね芹川駅入口の四ツ辻まで。

しかしこのとき、何を勘違いしたのか旧川原町(現、花しょうぶ通り商店街)あたりは関係ないと思ってスルーしてしまった。そのあたりに近代建築が二軒残っているというのを後から知ってすごく悔しい思いをした。

ご覧の通り、道がゆるやかにカーブしている。

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建物の特徴

切妻造りの平入り、そして虫籠窓や袖うだつを備える厨子(つし)二階の建物が多い。あと、これは私見だけど格子を持つ建物も多かった。

もうひとつの特徴が、1階を2階より半間(90センチ)ほど表通りにせり出すというもので、他所ではあまり見られない独特のものであるらしい。
また、主屋の後ろに土蔵を配置するという共通の特徴も見られる。

伝統的建造物のうち、5軒が登録有形文化財。こちらはプレートがあるのでひと目でわかる。

今や全国の通学路で見かけるこの「飛び出し坊や」。ご存知だろうか。実は滋賀県が発祥なのである。
もちろん設置数も日本一で、このとき二日間で県内あちこち走ったけど、確かに尋常じゃない数を見かけた。

川原町、袋町あたりは今も商店街だけど、南に行くに連れて閑静な住宅街になっていく。
たまに車も通るけど、総じて人通りは少なく落ち着いた町並みを見ることができる。

河原町芹町地区は、現在も住民たちが生活を営む場であり、決して観光地ではないことは少し強調しておきたい。
これから訪れる人が増えれば、徐々に駐車場や観光トイレなどが整備されていく可能性はあるかもしれない。

ここを訪れる方には、そうした状況を踏まえ、そっと散策することをお願いしたいと思う次第である。

現地へは、彦根駅から歩くと15~20分はかかるので、本数は少ないけど近江鉄道のひこね芹川駅が近くてよいと思う。

もしくは、彦根駅からバスに乗って「銀座バス停」下車。そこから3分程度。

かなり歩くけど、健脚な方は筆者がたどった彦根駅→彦根城(キャッスルロード)→河原町芹町地区→彦根駅というルートもいいと思う。

久左の辻にある、滋賀中央信用金庫銀座支店(旧明治銀行本店)。大正7(1918)年築。
花しょうぶ通りを目指す際は、こちらを目印にすると捗る。

[訪問日:2016年7月28日]


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