醤油のまち湯浅。最古の醸造蔵である角長さんには、もうひとつ見どころがある。それが本店の斜向かいに建つ「湯浅しょうゆ職人蔵」。
なんと建物は慶応2(1866)年。ひゃ、150年前!?
そんなすごい建物を惜しげもなく開放している。中は資料館。
実際に醤油醸造に使用された器具が展示してある。ここは絶対見て行くべし。
黒の板塀と格子が醸し出す重厚感に酔いしれながら、角長さんを通り過ぎ北町通りの端へと向かう。
ちなみにここを左に折れると浜町通り。
大仙堀
突き当たりを右折すると、かつて醤油や原材料の積み下ろしが行われた内港「大仙堀」が見えてくる。
前夜の大雨のせいか淀みきった水面と曇天のせいで望むべくもないが、本来であれば湯浅一のフォトジェニックな場所である。
続いて縦の筋を見て行くことにしよう。
明治40年築、かつて醤油屋の主屋だった旧赤桐家。
江戸時代から昭和末期まで営業していた「甚風呂」さん。現在は資料館となっている。
湯浅の主だった見どころは4本の通り沿いに集中しているが、通りと通りをつなぐように小路(しょうじ)、または小路小路(しょうじこうじ。こじこじではない)と呼ばれる細い路地が縦横無尽に張り巡らされている。
これもまた湯浅らしさのひとつと言えるだろう。
江戸時代の長屋を改修した休憩所、湯浅まちなみ交流館。休憩所と言いつつ、中では近所のご老人たちが集って話に花を咲かせていた。
筆者は入らなかったが、地元の人に色々話を聞いてみたければまさにうってつけの場所だと言えよう。
鍛冶町通りに面した栖原家。明治7年築の醤油屋の主屋。湯浅らしさが随所に見られる意匠とのことで、代表的な町家建築と位置づけられている。
だが、直視するのが躊躇われるほど傷みが激しい。。
重伝建になってからまだ10年という歴史の浅さゆえなのか、湯浅のまちなみは着飾った感じがない日常風景そのものと言った印象を受けた。
個人的にこういうまちは好きで、観光客をガンガン呼び込む商売っ気の強いまちはちょっとどうかなと思う。それが保存地区であればなおさら。
妻側、頭上ほどの高さにこんなものが取り付けられていた。
まぁ、鍾馗さんの類ではないかと思うが屋根の上じゃなかったのとあまりの唐突さ加減にちょっとビビってしまった。
最後。醤油醸造、網屋、質屋などを営んだ竹林家。
江戸時代に建てられ、何度か増改築を繰り返したそうでよく見ると各虫籠窓の意匠も微妙に違っていたりして面白い。
醸造の歴史が息づくまち、湯浅町湯浅。
醤油蔵が立ち並んでいた遠い昔に想いを馳せながら、ゆったりとした休日を過ごしてみてはいかがだろう。
[訪問日:2016年10月9日]
コメント
確かに湯浅醤油は有名ですね。
当方は千葉県民なものでキッコーマンかな
観光地していなくて、良い町並みですね。
そう言えば千葉にもN市という醤油の産地がありましたね。(実は行ったことがない)
ちなみにヤマサも千葉ですよ(笑)