坂と映画と赤線の町、「尾道」を歩く

広島県
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寺と坂と映画の町、尾道。石畳の坂道はさぞかし風情満天であろう。
だが、それらが束になってかかってもきっとここの風情には敵わない。

何ということだろうか。
ネコの通り道を抜けた先にはモダンな洋風建築が建っていた。

思わずHDR調にしたくなるほどぞくぞくするような路地だった。

大丈夫、自分の感性がおかしいことはとっくの昔に気づいてる。まったく問題ない。

これなんか戦後の「特飲店」のような趣きをしている。おそらく二階ではあんなことやこんなことが行われていたのだろう。

何よりこの風情。

女給たちが嫖客の袖を引っ張り合っていた光景が目に浮かぶようである。

忘れてた。いつものように『全国女性街ガイド』から尾道の項を抜粋しておこう。

駅から東へ十五分ほど。焼けていないので紅殻格子もそのままの新地が五十軒に百八十名ほど、全市にばらまかれた女を入れると四百名を越える。芸者も昔は二百名くらいいたが現在は二十名にがた減り、もっぱら赤線の街である。

その数字を聞けば、目の前の光景にも納得がいく。このエリアに50軒ってほぼほぼ特飲店じゃないかw

そしてモダンな銭湯。モザイクタイルが艶めかしい。

さて、最後に旧遊郭街の中心部だったと思われる場所をウロウロしてきた。
一言で言えば、そのあたりが雰囲気的にもっとも素晴らしい一角だった。

ネオンサインを望遠域の圧縮効果で切り取る。

もういっちょHDR調。

Photoshopで遊んでたらたまたまできた感じなんだけど、思ったより気に入ったので今後多投するかも。

そして、ここが十字路の中心。こういうときTHETAがあればいいなってちょっと思った。

焦らず一枚ずついきましょう。

しかしなぁ、こんなところをTHETAで撮影してたら頭がおかしい人だと思われないだろうか。ただでさえ関わっちゃいけないオーラが出てるのに、下手したら通報されかねない。

元妓楼と思われる建物。さっきのネオンサインは奥に見えるあたり。

“THE カフェー建築”とも言うべき胸熱な建物。

界隈のカフェー建築ではこれが文句なしで一番よかった。

長い歳月をかけて腐食した跡が錆になって、芸術的とも言える質感を醸し出していた。

こういうのはモノトーンにしたほうが映える気がする。

数年ぶりにやって来た尾道で、遊郭、赤線跡だった新開地区を歩いてきた。

往時の名残をこれほどまでにとどめる場所も正直珍しいという、終始そんな感想が浮かぶ散策だった。
もし広島、瀬戸内方面に行く機会があれば、是非とも尾道でラーメンと歴史散歩、そして赤線散策を味わっていただければと思う。

[訪問日:2016年12月31日]


コメント

  1. maru より:

    尾道に赤線跡があるとは、、、
    知りませんでした。

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