福井県の勝山市。
永平寺からも近く、名高いのは恐竜とスキー場・・その程度しか知らず、無論訪れたことはなかった。
この勝山には、かつて遊郭があったと云う。
なるほど。ならば行ってみようと、此処を旅の最終目的地に選んだ。
4泊5日で京都⇒福井⇒石川と駆けめぐったバイク旅。
山越えをし、再び福井に戻ってきた。そこが勝山市だった。
駅から歩く楽しさはないが、直接現地まで乗り付けて楽できるのが自動車のよいところだと思う。
早速、遊郭の目抜き通りに行くと今も現役の料理屋が出迎えてくれた。
ここは「湊遊郭」と言ったらしい。
ご丁寧に現地には看板が立っており、そこには解説が記されていた。
勝山唯一の花街
河原通り
後町通りより九頭竜川沿いに続く道で、明治時代より栄え、料亭、貸席、遊郭や、置屋などが並び賑わいを見せていた勝山唯一の花街であった
なるほど、花街だったのであればこの外観にも得心がゆく。
しかし、遊郭だったことをあけっぴろげにしてるのもまたずいぶん珍しい。
そういう場所はいくつか見たことがあるが、かなりのレアケースだと思ったほうがいい。
与志川の目の前にも遺構と思われる建物。
現在は空き家になり、人が入れないように杭が打ち付けてあるという情報を見た。もう先は長くないかもしれない。
湊遊郭の場所は、現在の本町1丁目、2丁目にまたがる範囲。勝山駅から歩くと、九頭竜川を渡ってだいたい15分ぐらいだろう。
初めて来る街というのはいいものである。
目に映るすべてが初めて見る風景。いつもワクワクした新鮮な気持ちで歩くことができる。
これこそがまち歩きの醍醐味だと思う。
2016年現在、日本には1,741もの市町村があるそうだ。
すべてに足跡を残すのは無理だとしても、死ぬまでになるべく多くの街を歩き、まだ見ぬ風景をこの目に焼き付けておきたい。
いつもそう願いながら旅に出る。
話を戻そう。
かつて、勝山の市街地には多くの湧き水があったそうで、現存するひとつにこの大清水(おおしょうず)がある。
現在は公園として整備され、ちょっとした憩いの場になっている。
遊郭跡の散策に疲れたら此処で一息つこう。
それにしても、初夏の陽気とはこのことで歩くと体力が削られるほど暑い日だった。
真冬に来ればそれこそ洒落にならないほど雪が降る街。もう少し涼しくてもいいだろうに。
このスナックは色街の名残だろうか。
この煙突は銭湯か。はたまた造り酒屋か。
場所柄、前者のような気がする。
一軒だけ、謎の洋風建築が残っていた。
これも色街の関連物件だろうか。
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