世界遺産の京都、上賀茂神社!・・の前にある地味な重伝建地区を眺める

京都府
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梅雨どきのとある日。

あまりにも天気が良かったので、ふと思い立って京都に行くことにした。
思いつきで行ける距離・・改めて実感したけど本当に素晴らしい。

間もなく盛夏を迎える京都。盆地特有のうだるような暑さに歩くと容赦なく汗が噴出す。
鴨川を眺めても、気休めになるどころかまるで涼しくない。

この先には世界遺産の「上賀茂神社」がある。

ここに来たのは6年ぶり。

上賀茂神社は正しくは賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)といい、創建は飛鳥時代と半端じゃなく古い。
かつてこの地を支配していた「賀茂氏」の氏神を祀っているというのがその名の由来である。

もうひとつの世界遺産、下鴨神社(賀茂御祖神社)とは祭神が母子という関係性で、ふたつを総称して『賀茂神社』と呼ぶ。

そんな上賀茂神社を横目に、東へテクテクと歩いて行く。
この日の目的地、「上賀茂伝統的建造物群保存地区」はこの先にある。

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上賀茂伝統的建造物群保存地区

上賀茂神社の境内を流れる「ならの小川」は、外へ出ると東へ進路を変え、「明神川」と名を変える。
この川沿いには室町時代に神官たちの屋敷(社家:しゃけ)が立ち並び、いわゆる社家町を形成する。

この社家町が1988(昭和63)年に重伝建(重要伝統的建造物群保存地区)に選定され、今なお旧態依然とした姿をとどめている。

「社家町」で重伝建に登録されているのはここ上賀茂のみ。まとまった社家町というのは全国的に見ても珍しく、かなり稀有な町並みと言える。

なお、宮島も保存地区の一部が社家町となっているが、こちらは種別自体は「門前町」となる。

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明神川沿いに神官たちの屋敷が立ち並ぶ。

屋敷ごとに架かる石橋と土塀が独特の景観を創り出しており、歩くだけで風情が感じられる。

京の町は本当に懐が深く、そして振り幅が広い。
季節ごとにまったく違う表情を見せてくれるし、受ける印象や感動も来るたびに形を変える。

あまたの人を惹きつけてやまないのは、やはり相応の理由があってのことだと思う。

神職の屋敷が立ち並ぶ景観は清々しくもどこか厳かさに満ちており、自然と気が引き締まる思いがする。

タバコのポイ捨てでもしようものなら間違いなく末代まで祟られるレベルである。
そうでなくても人として最低なので絶対にやめましょうね。

ポイ捨て。ダメ。ゼッタイ!

石橋の内側からの眺め。

真冬に橋が凍ったりしたらちょっと怖そう…。

そもそもあまり耳慣れない社家ではあるが、建築においても独自性を有している。

広い庭園を備えた敷地の奥にある主屋は桟瓦葺き、切妻妻入りの平屋という特徴。

門と土塀だけ見ると完全に武家住宅だけど、寺院建築の要素も随所に散りばめられていてそれが社家住宅ならではの特徴となっている。なかなかに興味深い。

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西村家庭園(錦部家旧宅)

入らなかったけど、この社家町の中で唯一一般公開されているのがこちらの西村家別邸。
明神川から引いた水を利用した庭園は平安時代後期の作庭と言われており、古い社家庭園の趣きを今なおとどめているそうな。

300mほどで神明川は緩やかにカーブする。
そこには明神川の守護神、「藤木社」が祀られており、

推定樹齢500年とされるクスノキの神木がそびえ立っている。
社家町で最もフォトジェニックな場所であり、木陰で休憩することもできる。

そこには重伝建の案内板も設置されていた。

上賀茂伝統的建造物群保存地区、通称「社家町」。
15分もあればすべて見れるぐらいのコンパクトな町並みには、京都らしい昔ながらの風情が滲んでいてゆったりと散策することができる。

とにかく人が少ないのでいい意味で期待を裏切られる。

上賀茂神社に参拝したら、そばにある小さな町並みにも目を向けてみてはいかがだろう。

[訪問日:2017年6月23日]


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