しまなみ海道サイクリング二日目。
レモンアイランド生口島。民宿の手土産はやはりレモンだった。
(のちにジンフィズにして美味しくいただきました)
雨こそ降らなかったが、翌朝、瀬戸内はらしくない曇天だった。
風呂に入ってぐっすり眠ったら体力もすっかり回復した。
あとはゴール目指してひたすらペダルを漕ぐだけである。
生口橋。瀬戸田から一斉に歩き出したウォーキングの参加者がわさわさいてめっちゃ走りづらい。
この橋を渡れば第五の島、「因島(いんのしま)」である。
旅人に尋ねてみた どこまで行くのかと
いつになれば終えるのかと
旅人は答えた 終わりなどはないさ
終わらせることはできるけど
因島出身のポルノグラフィティはかつてこう言った。
まるでこの旅を象徴するかのようなフレーズだ。
ならば答えよう。
これから・・因島にあった遊郭跡へ行くのだ。
家老渡遊郭跡
造船所を横目にゆるいカーブを曲がる。
たばこ屋が見えたら目的地はもうすぐそこだ。
着いた。ここが家老渡遊郭跡(正式には「浪花遊郭」)だ。
こんな瀬戸内の離島の果てにあった遊郭。しかもチャリで来た。
なんかもう色んな意味で感慨深くて涙が出そうになった。
この家老渡遊郭ができたのは大正8(1919)年。
大阪の鉄工所が近くの造船会社を買収し、海軍御用達の工場があった。
その工員たちのために開かれたそうだ。
大崎上島、大崎下島におちょろ船がいたことで、ここができるまでは因島に遊郭はなかったそうだ。
ただし、ここは交通が不便だったため10年と続かず、島内の長島というところに移転したと言う。
(以上『遊郭をみる』より)
成立が新しいことと期間が短かったことを考えれば、通りに残る大柄な家屋はおそらく元妓楼だった建物であろう。
ただ、民家になってからのほうがずっと長いせいか、遊郭跡特有の空気感はだいぶ薄まってしまっていた。
どうも空き家のようであったが、一番手前のこの建物が最も雰囲気があった。
少し引いて見るとこんな感じ。
横の公園から裏側が見えるが、どうせならもう少し全景がはっきりわかるような場所から眺めてみたい。
家老渡遊郭遠景。
さっき歩いた路地は、公園から数えて二列目と三列目の間。
ここに遊郭があったなんて、言われないと絶対わからないだろうな。
離島の小さな集落。
ただただそんな感じの風景だった。
[訪問日:2018年10月7日]
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