引き続き芳和荘の館内を散策。
散策中にご主人とお会いし、いくつかお話を伺うことができた。
まず、この芳和荘が建てられたのは今から約100年前。大正時代とのことらしいが詳しいことはわからないと仰っていた。
また、棟梁が三人いて当時としてはこれはかなり珍しいこととのこと。
ご主人の推測では、三人に競わせたのではないかということだった。
このあたりのことも伺ったが、当時の建物はもう芳和荘以外残っていないと。
このあと遊郭跡を散策したが、確かにその言葉は正しいようだった。
こちらは奥にある階段。客が帰るときに使っていた裏階段ではないかと思われる。
正面の階段を降りたところ。
その階段の裏側、というか下に…
現役時代に客が使っていた下駄箱がある。
そして下駄箱の右手部分は、かつてはひとつの部屋だったそうだ。
1958年、売春防止法後のことも伺った。
旅館 ⇒ 下宿 ⇒ 旅館
という変遷をたどったとのことだった。
あと、詳しい内容を失念してしまったが、Googleマップの情報が間違っていてお客さんがたどり着けないことがあって困っていると仰っていた。
おそらく住所のことだと思うが忘れてしまった…。
外観を眺める
横から見ると、そのでかさ、圧倒的な存在感に打ちひしがれそうになる。
100年以上ここに立っているという自負、貫禄がすごい。
芳和荘は、萩市の景観重要建造物に指定されている。
指定されたのは今から9年前。2009年のこと。
玄関横の壁。よく見るとかなり凝った意匠になっている。
裏口。今は使われていないようだった。
駐車場があるのがこの裏側にあたる。
遊郭が役目を終えてから今年で60年。
奇しくもそれが平成最後の年になろうとしている。
遊郭時代の建物は、全国的に見てもどんどん数を減らしている。
ましてや、旅館になってそれが今でも泊まれるところとなると全国的に見ても数は少ない。
そして、残念なことにその数は今後増えることはない。ただ減っていくのみである。
建築的な価値。文化的な価値。
それらを後世に残すためにも、芳和荘にはいつまでも頑張ってほしいと願う次第である。
芳和荘
山口県萩市東浜崎2区1
0838-25-3470
「JR東萩駅」より車で約5分/「萩バスセンター」より車で約3分
コメント
いつまでも残って欲しい建物ですね。
裏口のアーチの遺構なのかな、、、独特ですね。
ネットの情報ですが、今のご主人で最後になるかも…という情報を見かけたことがあります。
ちょっと先行きが心配です。