激渋昭和アーケード 大阪天王寺『阪和商店街』

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旅行中、訳あって天王寺近辺に投宿したので、ついでに駅前にある昭和アーケード、阪和商店街を見学してきたというのが今日の話。

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関西のJR駅において大阪駅、京都駅に次ぐ第三位の利用者数を誇る天王寺。

聖徳太子が建立した四天王寺があり、近年再開発事業で脚光を浴びる大阪の一大都市。駅の背後には地上300m、日本一の超高層ビルあべのハルカスがそびえている。

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闇市由来のアーケード

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そんな、何も知らずに来たらめちゃめちゃ近代的に見える駅から徒歩1分のところにこんな信じられないような商店街が残っているのだからビックリする。

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あまりのギャップに膝から崩れ落ちそうになること請け合いである。
その名は『阪和商店街』。全国的にも数を減らしつつある、戦後闇市を起源とする昭和アーケード商店街である。

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四天王寺周辺は大阪大空襲で壊滅的な被害を受け、天王寺区の人口も10万人から1万8千人に減ってしまったと聞く。
辛うじて焼け残った駅の近くに闇市が立ち並び始め、その後の発展の礎が築かれていくことになる。

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それにしても昼間なのにこの暗さはどうであろう。
外はさんさんと陽光が降り注いでいるというのに中はこの有り様。

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平成生まれの現代っ子あたりだと、最近流行りの『昭和レトロなテーマパーク』の類と勘違いするかもなぁ、駅前だし。
それぐらい、寂れ方と場末感が洗練されまくっている。

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これとかもう映画のワンシーンって言われても首肯できそうなコマだなぁと撮った我ながら思えてくる。
一応再確認しておきますが、セットではないですよ。リアルな風景です。これがデフォルトなんです。

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基本的には飲み屋が多く、昼間なのでほとんどの店が空いていなかった。菓子問屋ワタナベという商店が空いてたぐらいで、あとはもう固くその表情を閉ざしていた。

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正面がメインストリート。うらぶれた脇道には裸の蛍光灯が一本。昭和全開すぎてだんだん楽しくなってきたw
しかし火事でも起きたらあっという間に燃え広がりそうな空間である。

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最も目を引いた店舗がこの「種よし」という居酒屋さん。色々貼りすぎで何がなんだかよくわからなくなっている。

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一応トイレもあったものの、怖いもの見たさでも入ってみようと思えなかったので華麗にスルー。

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店主がお亡くなりになったのか、閉店してからそのまま放置されているような店もちらほら。一見して「開店前」なのか「閉店」なのかよくわからない店も多かった。
夜に来たら一体どれぐらいの店が開いてるのか気になるところです。

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そう言えば行き方について触れていなかったので。
阪和商店街の場所ですが、天王寺駅北口を出た目の前、玉造筋沿いに両側からビルにプレスされて縮んだかのような極端に間口の狭いアーケードが見えるのでそこが入口です。
中でほぼ直角に折れ、谷町筋に抜ける非常に短い商店街ですが空間の濃密さはこれまで紹介してきた通り。

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谷町筋側の入口。こっち側は、一見してここが商店街の入口とは思えない雰囲気ではあるものの、天井の様子がちょっとおかしなことになってるのですぐおわかりになるかと。

「あべの銀座商店街」を筆頭に昭和の聖痕が浄化され始めて久しい天王寺界隈において、果たしてこの商店街もいつまで保つかはさすがに予見できそうにない。
昭和レトロ好きな方はお早めにどうぞ。

[訪問日:2014年7月22日]


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