再開発はすでに進行していたのである。
繊維問屋街の一部が削り取られる形で、駅前に超高層複合施設「岐阜スカイウイング37」が竣工。
その結果、以前は見えなかった超絶かっこいい壁面が白日の下に晒された。
これや・・これが見たかった。
ヤバい・・控え目に言って最高すぎる。
この壁は、岐阜スカイウイング37に隠れて駅前の大通りからは見えない。
裏側に回り込んで初めて対峙することができるのである。
岐阜スカイウイング37の2階デッキから撮影。
時空の歪みに沈んだのかと錯覚を覚えるような、僅かな空間に露わになった幻の壁。
これが岐阜の絶対領域か・・・眩しすぎる。
何より、近代化の象徴とも言える超高層ビルの真下に立っているからこそこの超強烈な個性がより際立つのである。
やはり昭和と言う時代は偉大だった。
この場所に来たら、誰もがそれを再確認することができるだろう。
【後日談】
このちょうど3年後となる2022年8月。この壁面が大変なことになっていると岐阜の知人から教えてもらい、見に行ってきた。
な、な、な・・何てこった!!!!
巷では「問屋町ウォールアート」と呼ばれているらしいその壁は、青空をを表現したと思しきペイントで上書きされてかつての無骨なかっこよさが完全に失われてしまっていた。
絶対前のほうがよかったと思うんだけど。。
嗚呼・・どうしてこうなった(嘆)
という訳で、残念ながら今見に行ってもこんなんしか見れません。
そして壁の中へ
実はこの建物も繊維問屋街の一部なのである。
内部がアーケードになっているので入ってみることにした。
先ほどまで見てきたアーケードとはやや雰囲気が異質である。
何て言うか、より“硬派”な昭和であるような感じだ。
このビルは、昭和42年に竣工したようだ。
1967年。すなわち今年で53歳である。
昭和中~後期と言えば確かにそうかもしれない。
筆者が子供の頃はこんな雰囲気のビルや団地がまだあったように思う。
今ではただ懐かしい。
それはなかなか穏やかじゃない。
やはりだいぶ老朽化が進行しているのか。
天井を見上げると、あまりに昭和すぎて泣きそうになる。
って、何だよこのアウディ・・
ここはスバル360やミゼットのほうが似合うんだよ!!
何度でも言いたい。何て素晴らしいんだろう。
同時に、ここにいると最新設備のビルや商業施設がいかにツマラナイかつくづく実感できる。
空き店舗も増え、建物の老朽化は進む。問屋街の衰退は今後ますます加速していくことは明白である。
いつかはこの建物も取り壊され、なくなる日を迎えることになるだろう。
そのとき、どんな最期を迎えるか。
多くの人に惜しまれながら。せめて、そんな幸せな結末になってくれることを願いたい。
岐阜は好きなまちなので、これからもたびたび訪れることになるだろう。
このまちの変遷を、ささやかながらそっと見守っていきたいと思う。
[訪問日:2019年8月11日]
コメント
現在JR岐阜駅前の2か所で再開発計画が進んでいます
JR岐阜駅目の前にある旧グランパレホテル(東側)と
コカコーラの看板があるビル一帯(西側)の2か所です
旧グランパレホテルは積水ハウスが土地建物を再開発の為、取得済みになっています
西側は大和ハウス系の会社が再開発を進めているようです
住居部分は無しで商業施設とオフィスで埋める計画でしたが
コロナの影響でオフィス需要が減り、商業施設の誘致も困難になってると思われるので
現在は一時中断になっていると思われます
ブログ主さんには申し訳ないですが
岐阜市民としては駅前の最後に残ったボロビル群は早く一掃してほしいのが本音です
夜は真っ暗。。。と思いきや照明がちゃんと点いて昼とは違う趣きですよ。