木蝋で栄えた小さなまち。愛媛県内子町を訪ねて

この記事は約4分で読めます。

内子は町並み界ではよく知られた町で、それはもちろん「八日市・護国地区」の貢献なしでは語れないけれど実はそれ以上に有名なものがある。

そんな訳で徒歩でそこへ向かってみると、途中の町並みが予想を裏切る素晴らしさだったので僭越ながら1ページ追加させてもらった…という次第。

「本町通り」と言うこの通りは、かつては『六日市』と言って八日市同様内子の中心として栄えた地区だったそうだ。(現在はこの六日市が内子の中心)

今では商店街となっているが古い建物が良好に残っている。

うだつが上がる元商家

実は内子というまちは「まちづくり」に対する意識がものすごく高いところで、重伝建の町並み保存だけでなく村並み保存や山並み保存と言った環境や景観の保全にまちを上げて取り組んでいる。

築140年の商家を改築した「下芳我邸」(登録有形文化財)

今でこそ重伝建にもなって全国的に知られた観光地になってるけど、昔は知名度もほとんどない中山間地域にあるまちのひとつに過ぎなかったと言う。(かつて南予地方の観光の中心は宇和島と大洲だった)

本町通り(六日市商店街)

八日市・護国地区を重伝建へと目指す方向で舵を切った当時、県内はおろか四国にも前例がなかったので、住民のみならず行政側も色々学びながら手探りで協働を進めていったそうだ。

明治時代の蔵をリノベーションしたホテル

その経験が住民が主体的にまちづくりに取り組む土壌を醸成し、今の姿につながっていることは言うまでもないが、その過程でひとつ重要な事業が立ち上がっている。それについては後ほど。

そんなわけで、内子の町並みはどこを歩いても(八日市護国と六日市しか歩いてないけど)美しく気持ちのよいものだった。

ちなみにですよ、内子がどれだけすごいかと言うと。

人口はたったの1.6万人。
全国どこにでも見られるような、少子高齢化と過疎化、人口減少がトリプルパンチで進む中山間地域。
基本スペックはこんな感じ。

それに対して、年間の観光客数は約160万人。なんと人口の100倍!

レトロ界隈では有名な建物

いくら重伝建があると言っても、重伝建ってそこまで認知度が高くないし、「重伝建だから行ってみよう」とはならないと個人的には思っていて。ましてや内子は首都圏からも関西圏からもアクセスが悪い。

大内宿白川郷飛騨高山みたいに地方でもポテンシャルが異常に高いところもあるけど、そもそも観光地として有名なわけであって性質的には似て非なるものだと思う。もちろん知名度的にも同列には並ばない。

内子町児童館

なので、内子町の場合は住民が主体となって作り上げてきたまちそのものの魅力がこの数字に現れてるのかな、と個人的には解釈している。

内子町ビジターセンター

山間部には村並み保存の旗振り役となった「石畳」という地区があって、理想的な田舎ステイが体験できる宿があるそう。
機会があればこっちにも泊まってみたいと思っている。(興味がある方は調べてみてください)

さて、ここまで内子町をべた褒めしてきたわけですが、、最後になりました、、、

スポンサーリンク

内子座

内子で最も知られている、、そう、八日市護国の町並み以上に有名なのがこちらの「内子座」。
大正初期に建てられた芝居小屋で、なんと今でも現役。

と言ってもそこには紆余曲折があって、実は一度は老朽化によって本格的に解体が検討されていた時期があったと言う。
それが、1982年に八日市・護国地区が重伝建になったことで潮目が変わり、保存へと傾いていったそうだ。

そして、3年後の1985年に復原を終え現在に至っている。2015年に国の重要文化財に、2016年には創建100周年を迎え今なお各種舞台、催し物などに活用されている。

普段は見学できるんですがね。。
年末年始のみお休みです(悔)

内子座と重伝建は結構離れてるのと後者は駅から遠いので、電車で来られる方はご注意ください。

とは言え本町通りも素晴らしいので、個人的にはすべて歩き倒すことをオススメします。
そして、そのまま八日市・護国地区で泊まって行くことをもっとオススメします。

[訪問日:2020年1月1日]


コメント

  1. 同行二人 より:

    「アレを紹介してないのにこれで終わり?」←旭館のことかと思いました^^;

タイトルとURLをコピーしました