尼のレトロ市場探訪記Ⅵ『尼宝市場』

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一日では完結しなかったので、二週間後に再び敢行した尼のレトロ市場探訪。
前回は雨だったが、この日は素晴らしき快晴に恵まれた。

残るは3ヶ所。
まずは、西大島市場と同じく尼宝線沿いにあるその名も「尼宝市場」。

道路の向こうで何やら長屋のように古い家が隙間なく並んでいる。
あれだな。

北側、新幹線の高架のそばに入口があった。
何も書いてないので一見すると市場とは気づきにくいが、目利きの人にとってはこれはもう紛れもなく市場である。

いや、正確には市場“跡”である。

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尼宝市場跡を眺める

あと少しで伊丹市に入る尼崎の最果て。
最寄りの武庫之荘駅から2kmもあるこの市場は、昭和35(1960)年に開業。

すでに60余年という長寿物件だが、先述のとおり市場としてはすでに機能を停止してしまっている。

外は陽光が燦々と降り注ぐ青空だと言うのに、中は絶望的に暗い。
そんな超人的な暗順応を強いられてもそれは土台無理な相談である。

『尼崎市の小売市場における空き店舗問題』という論文によれば、2016年時点で、営業店舗が34店舗中2店舗。
空き店舗率94.1%という数値を叩き出していたことが記されていた。

これが駅近など立地がよければ、新規出店などの好循環が期待できたと思われるが、先述のとおり交通の便に難がある住宅街である。

クルマを持てば駐車場のある大型ショッピングセンターへ流れることは必至。市場が衰退していったのもある意味必然だと言えるだろう。

県道から見えたのはおそらく住居部分なのだろう。
市場内に数台自転車が停められていたので、どうやら住人はまだいるようだ。

やっと暗がりに目が慣れてきたところで、外へ出れる扉を見つけた。
こんなの出るしかない。

眩しい。。

何なんだこの視機能に優しくない市場は。。

ところどころ明り取りがあるものの、光が届かないゾーンは写真に何も写らないほどの圧倒的な闇に沈んでいた。
掲載している写真たちは、かなり明るめに補正している。

突き当たりは立入禁止になっていた。
崩落の危険性でもあるのだろうか。

常闇のシャッター街はまるで異世界のようだった。

まじまじと外側から眺めると、今度は建物がいかに異彩を放っているかがよくわかる。
この比類なき昭和遺産が現世から消える前に、自らの目に焼き付けておくことを強くお勧めしたい。

尼宝市場。
ここが人で溢れていた時代をひと目見たかった。

叶わぬ思いを暗闇に放ち、そっと踵を返した。

新幹線のガードを越えた先には、尼宝線に面して「時友ショッピングセンター」なる商店街があった。

さて、次の場所へ向かうか。

[訪問日:2021年2月6日]


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