水都に残る色街跡・大垣市『旭遊郭』

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国際園の散策を終えた後、もう少し足を延ばして大垣までやってきた。今回の旅、最後の目的地に定めたのは岐阜第二の都市、水都大垣にあった遊里、「旭遊郭」である。
この遊里は、全国遊廓案内(昭和4年)を紐解くと

岐阜県大垣市藤江町にあって、(中略)現在貸座敷は十八軒あって娼妓は全部で百三十人居る

うんぬんと書かれている。

ちなみに大垣という街は、筆者には少しばかり縁がある。学生時代、東海地方を中心に就職活動をしていたため、当地にあるソフトピアジャパンを何度か訪れたことがある。もしかしたら社会人生活をこの地でスタートすることになっていたかもしれない、と言う場所でおそらく降り立ったのもそのとき以来だと思う。
あれから実に10年以上もの歳月が流れていた。

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さて、目的の遊郭跡だがまず場所を示す。こじんまりとした里であったのか、現在の地図をぼんやり眺めても町割りからはイマイチ遊郭の特徴を見出だせない。まぁ、ならばとりあえず現地へ趣きましょうかね。

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この通りが大垣旭遊郭跡。道幅はそれなりにあるが、この通りだけが抜きん出て広いわけではない。
そして現在では、当時の妓楼建築が3軒ほどそれなりの保存状態で遺されている。

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通りには遊郭につきもののお稲荷さんも見られた。
神社かと思えば、横は大師寺なる寺院となっており、名前のごとく「弘法大師」の像が建っている。
遊女信仰のために、あとからお稲荷さんが出来たのだろうか。よくわからない。

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最初の一軒がこちら。
見ての通り、住宅として使用されているためかなり保存状態がよい。

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正直、文化財として保護してほしいと思うほどの素晴らしさである。
丸窓と、緑の色彩が絶妙な艶っぽさを醸し出している。たぶんこれだけでご飯三杯はいけるw

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ここの歴史について色々調べてみたが、かなりマイナーな遊里のため、絶望的に情報が乏しい。
一応わかったことは、成立は明治21年(1888年)頃だということ、終戦直前の昭和20年に大垣は大空襲を受けてこの辺りも壊滅したということ、そして戦後は「旭日園」という赤線となって営業していたということ。

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ドアが少しだけ開け放たれたお宅の玄関周りには、往時の特徴が見て取れた。
空襲は、大垣駅など僅かな建物しか残らないほど市内一帯焼け落ちたそうである。
ここに残されている元妓楼たちは戦前の建物だと思うので、おそらく奇跡的に焼け残ったのだろうと思われる。

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「三喜」という転業組っぽい旅館が遺されていた。
佇まいからして、建てられたのは戦後ではなかろうか。

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商いを終えてからかなりの年月が経っているのか、建物の老朽化が著しい。目を覆いたくなるほど末期的な状況を呈している。

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と思えば、玄関周りには植栽が並べられていたりもする。でもどことなく人が住んでる気配は感じられない。

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はめ殺しのような丸窓に目を奪われるも、真下には崩落したコンクリート・・危ない危ない。

なんて書いてきたところで、今しがたGoogleマップのストリートビューを見てみたら、キレイにリフォームされ、また住宅として第二の人生を歩み出した様子である。旅館の看板もなくなっている。

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二軒目の妓楼がこちら。
見事なまでに「売物件」となっている。こっちもストリートビューで確認してみる。
今年の5月時点で、いまだに売物件のままであった。
いやぁ、悪いけど買う人はさすがにいないだろう・・

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全体的に傷みが激しいし、築ウン十年かわからないけど、これをリフォームして住もうという酔狂な人がいたらむしろ会ってみたい。
駅から近いとかスーパーが目の前とか、何かしらメリットがないと厳しいと思う。

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何年かしたら、取り壊されて違う家が建っている光景が比較的容易に脳内で描けてしまうところが悲しい。
そうやって、遊里の痕跡は少しずつ消えていくことになる。寂しい限りだなぁ。

で、実は今歩いてきた通りと垂直に交わる東西の通りに三軒目の立派な元妓楼が一軒遺されていたようであるが、あろうことかそっちは歩かずに帰って来てしまった。
というのも、元々バスの時間の兼ね合いで滞在時間を20分しか取っていなかったのが、もう一本前に乗れそうだったので、この通りだけ見て引き返してしまったというわけで。

結果的に10分ちょいしかいなかったんだけど、まぁ雰囲気は十分伝えることができたのではなかろうかと。

[訪問日:2014年8月24日]

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