もうすぐ18時を迎えようとしていた。
人の往来は皆無で、町並みを独占している感覚がどこまでも心地よかった。
宿場だった頃は、日が傾いて来た今時分はさぞかし旅人で賑やかだったことだろう。
この日は旅程の都合上何もできなかったが、海野宿には歴史資料館である『海野宿資料館』と全国の民芸玩具を展示する『海野宿玩具館』がある。
いずれも江戸時代の建物が使われている貴重な有料施設。是非立ち寄りたい。
他にも古民家カフェやガラス工房、そば屋なんかもあるのでその気になれば一日楽しむこともできるだろう。
ってここで一日使い切る人はそうそういないと思うけど。。
前頁で全長650mと書いたけど、この長さに伝統的建造物は約100棟。
重伝建でも歯抜けのように更地が点在していたり今風の住宅がぬけぬけと立っていたり、なんて残念なところもあるが、海野宿は妥協の一切ない密度の濃い町並みを展開している。
冒頭、“ビッグスリー”と称したのは相応の理由あってのことである。
あーそうだ。
そう言えば行き方について触れるのをすっかり忘れていた。
海野宿はしなの鉄道の「大屋駅」と「田中駅」のちょうど中間あたりにある。
どちらから歩いても15分ぐらいだろうか。
車の場合は白鳥神社の前あたりに第一駐車場、千曲川寄りの道沿いに第二、第三駐車場があるのでお好きなところへどうぞ。
もうひとつ見どころがあったのを思い出した。
白鳥神社のあたりが宿場の東端にあたるんだけど、宿場の名残でキレイな枡形になっているのでご確認頂ければ。(写真撮り忘れた)
ちなみに西端にも「西の枡形」なるものがあるんだけど、今ここへ行っても道は真っ直ぐ伸びているだけ。
よくわからんけどこっちは道を付け替えたのかな。
本当に“映える”被写体が多すぎてなかなか足が進まない。
逆に人がいない時間帯でよかったかもしれない。
夜はどんな景色を見せてくれるのだろうか。
願わくば、ここに宿を取って夜も歩いてみたいものである。
※ざっと調べた感じ、宿泊施設が2軒ほどある模様
気づけば、だらだらと撮り歩いた海野宿もそろそろ終わりに差し掛かろうとしていた。
建物のバリエーションが豊かで歩くのが本当に楽しい宿場だった。
これをもって、長野県内の重伝建全7ヶ所がようやくコンプリートした。
今回の遠征では未訪問だった「青鬼」「戸隠」「稲荷山」、そして「海野宿」に足を運べた。
実りある旅だった。
旅はあと2日を残していたが、まち歩きは翌日がラスト。
残すはあと2ヶ所である。
[訪問日:2021年7月24日]
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