福島県の喜多方市と言えば、“通”じゃなくても一度は聞いたことのある喜多方ラーメンがとにかく有名なまちである。
そして、個人的な見解で恐縮だがラーメンの次に有名なのが蔵だろうと思う。
「蔵のまち喜多方」と言われるほど、蔵の多いまちなのだ。
中でも、市の中心部を南北に流れる「田付川」の東側に位置する小田付地区。
ココにあるおたづき蔵通りを今日は紹介したい。
手始めに駐車場を兼ねた観光案内所に行ってみたが、コロナ禍で絶賛休業中だった。
なお、訳あって今年の2月に再訪したのだがそのときもなぜか休業中だった(笑)
おたづき蔵通りは、2018(平成30)年に「在郷町・醸造町」で重伝建に選定された。
国道459号線をまたいで南北に約800m。
東西ともに裏通りまでの、おおむね短冊型の地割が保存地区の範囲となっている。
商家町ではなく「醸造町」というのがポイントで、ここにこのまちの歴史が凝縮されていると言っても過言ではない。
蔵のまち喜多方
良質な米と水に恵まれた喜多方は古くから酒、味噌、醤油などの醸造業が盛んだった土地柄。
また、会津若松と米沢を結ぶ街道のまちでもあり、早くから市が立つなど物資の集散地としても栄えた。
つまり、物資の保存や醸造の仕込み用に必然的に蔵が必要とされたのである。
さらに、明治13年に発生した大火でその耐火性が見直され、その後激増。
喜多方の男たちにとっては「40代で蔵が建てられないのは恥」と言わしめたほど、一世一代の夢だったそうだ。
そんな、土地柄と男意気に支えられて建ちまくった蔵は、今でも市内に4,000棟以上残っていると言われている。
なかなかに常軌を逸した数字だと思う。
なお、田付川を挟んで反対側の「ふれあい通り」もここと同じぐらい見ごたえある通りだったが、こちらについては日を改めて書くことにしよう。
小原酒造さんの対面に建つ立派な蔵は、かつて醤油・味噌の醸造をしていた金忠(井上合名会社)の店蔵。
特に右側の「明治蔵」が圧巻。
現在はマルシェの会場として地域の役に立っているようだ。
地酒や土産物を扱う「地酒蔵 馬車の駅」。
459号線との交差点に建つ三浦英次商店の蔵。
堺屋呉服店。
夢心酒造の蔵。
だいたいこのあたりが保存地区の北端となる。
ここの地名は実にわかりやすく、上から「北町」「中町」「南町」となっている。
続いて一本西側の裏通りへ行ってみよう。
(2ページ目へ続く)
コメント