ことでん琴平線に揺られ、高松築港駅から20分ほど。かつて高松藩主・松平家の菩提寺である法然寺の門前町として栄えたのが「仏生山」である。
素通りされがちなこの地に見応えのある町並みが残っていると聞いて、どんなところかと見に行ってきた。
駅から少し歩くと町並みの入口にたどり着いた。
このすぐそばに仏生山温泉という温泉施設があり、以前から一度行ってみたいと思っていたのでまちの名前だけはよく知っていた。
ほんの挨拶代わりと言わんばかりに厨子二階の町家がこんにちは。
元商店か何かだろうか。
こちらの建物は、うだつや見事な格子戸を残しながら、どこか端正な気品を漂わせている。
この高松信用金庫のある場所には、かつて「香川座」という歌舞伎小屋があったそうだ。
明治45(1912)年に桜座という名で誕生し、大正4(1915)年に改装して香川座に改称。
やがて映画館としての機能も付与されたが、TVなどの普及により昭和40年代には幕を閉じたと案内板に書かれていた。
町並みに溶け込むように佇む「円光寺」。
開基1565年と言うとんでもない古刹。
うだつがあがる商家がちらほら見られるが、ここでは「うだち」と呼ぶそうだ。
というか、元々はうだちだったのが転訛してうだつになったみたいね。
この呉服店、面白いことに左右でうだつが非対称になっている。
これは初めて見たかも。
なんだこの良すぎる建物は・・。
今さら言うことでもないけど、筆者は江戸や明治頃の伝統的な町家よりも実はこういう昭和スタイルのほうが好物だったりする。
脇道の風情が最強だったのでパシャリ。
創業1789年、酢やソースを製造する神崎屋。
創業237年の会社がナチュラルに残っている事実が、この町の歴史の深さを雄弁に物語っていると言ってよいと思う。
1921(大正10)年創業の養蜂場。
こちらもなかなか。
今歩いてきたこの通りが冒頭書いた法然寺の門前町で、入口から法然寺までで大体1kmちょっとぐらい。
こんな感じの案内板があちこちに設置されている。仏生山、旅人に優しいまちです。
案内板に書かれていた、芝居小屋や小料理屋が立ち並んでいたという往時の賑わいとはいかほどであっただろうか。
リノベーション物件を前に、そんな風に思いを馳せてみた。
立派な本瓦葺きの町家が軒を連ねる圧巻の光景。
2階に3つの虫籠窓を並べた町家。
自販機があると印象ががらっと変わるよね。
時間のレイヤーが重なってる感じがとても良き。
仏生山、思っていた以上に古い町家が残っていて楽しいまちだった。
これほど濃密な空間が今まで残ってくれていたことに感謝。
ゴールが見えてきた。
と言っても、突き当たりに見える森は神社で、肝心の法然寺は右に曲がってもう少し行った先にある。
右に曲がったところには道標。
「右 佛生山道」
の文字を見ながら、一体これまでどれほどの人がここを通り過ぎていったのだろう。
かつての門前町の栄華は、少しずつ形を変えながらも今も静かに時を刻み続けていた。
[訪問日:2022年5月3日]






















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