過疎の極み…足尾銅山跡と足尾の町並みを眺める

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足尾銅山があるのは栃木県日光市。だがこれは、例の「平成の大合併」の産物であり、かつては「足尾町」という自治体であった。
全盛期には人口4万人弱を有する鉱山町だった足尾は、合併直前には3千人台という全国でも例を見ないような凄まじい過疎化っぷりに直面していた。

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かつての栄華の名残をひと目見ようと、足尾の中心でもある通洞の町並みへとくり出した。
これが通洞駅。のどかな車窓風景で鉄ちゃんにいたく人気なわたらせ渓谷鐡道の駅であります。

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通洞のまちなみ

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駅前には、栄光を誇示するかのようにここ松原地区の今昔物語が書き綴ってあった。
ちなみに、場所は判らなかったが足尾にはかつて遊郭もあったらしい。炭鉱とか軍隊とか過酷な労働が伴う地には不可欠な要素である。

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早速、渋い町並みが目につく。
それにしても、いくら基幹産業を失ったと言えどもひとつの町で人口3000人とかちょっと尋常ではない。
しかし、働き口がなければこんな山深いところに住む理由など確かに何ひとつないのかもしれない。

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あるいは、「公害の町」というイメージが先行する場所にとどまることに嫌悪感を覚え、この地を捨てた者も多く居たのではないかと思う。

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あまり知られていないが、足尾鉱毒事件の影響は稼働停止後30年近く経つ現在でも健在なのだ。
銅山は、一度開山したら鉱毒が絶えずしみ出てくるので、河川に流れないようにせき止めてろ過するという作業が必要になる。

興味のある方は「足尾銅山 鉱滓ダム」で検索してみてください。

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暗い話をしてしまいましたが、気を取り直して歩いていきましょう。
そう言えば駅前の案内板に書いてあった。この地区では火災がたびたび発生し明治時代頃の旧家は残っていないと。

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これとかちょっと大正時代の趣きがあるけど、確かに総じて昭和な町並みって印象でした。
古い町並みが好きな人ならまぁまぁ楽しめるかな、って感じ。

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まぁ町並みうんぬんより、日本の公害史上もっとも有名とも言える足尾鉱毒事件の舞台となった地で、鉱山の開発と命運をともにした栄枯盛衰の町、という史実に着目したほうがきっとまち歩きも楽しいと思う。足尾はそういうとこです。

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あと、もし我こそはという遊里系ウォーカーの方がいれば、足尾町遊郭のリサーチと場所の特定、レポートまでしていただけると非常に嬉しいです。

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駅前通りに面した民家の一角には、ひそかに稲荷神社が奉斎されていた。
やっぱりここには色街があったんじゃないか。そう思わずにはいられない足尾散策であった。

[訪問日:2015年9月19日]


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