せっかく日光の僻地まで行ったので、帰りに栃木で途中下車して「嘉右衛門町」の町並みを見てきた。
栃木市は個人的に好きな街である。
県名を冠されながら県庁所在地ではないところと、人口や栄えっぷりで宇都宮に大きく水をあけられ、あまり目立たないポジションに甘んじているところに得も言われぬ親近感を覚えるのである。
過去に蔵の街、廃村のような謎の遊里跡を歩いた栃木市。一日で回れる距離なのになぜか無駄に三回も来てしまったのは、やはり惹きつけられるものがあったからなのだろう。
三度目は「嘉右衛門町(かうえもんちょう)」。2012年7月に重伝建(重要伝統的建造物群保存地区)に指定された“もうひとつの蔵の街”である。
旧街道沿いの伝統的建造物群
どこぞの猫型ロボットみたいな一風変わった名の町は、蔵の街に寄り添う「巴波川」をもう少し遡った場所にある。電車で行く場合、栃木駅より新栃木駅のほうが近い。
筆者も後者のルートを選んだ。
嘉右衛門町は、旧日光例幣使街道に沿って栄えた町で、江戸末期から昭和初期の商家や伝統的建造物が今でもよく残っている。この日は南側からアプローチしてみることにした。
入ってすぐ目につくのが、国の登録有形文化財にもなっている「舘野家住宅」。通りでは珍しい洋風建築である。
保存地区は、江戸時代に岡田嘉右衛門という人物によって開拓された新田村がベースとなっている。その後岡田家は幕府の旗本畠山氏の陣屋となり、代々土地の名主として繁栄していくことに。
例幣使街道が整備されたのはその後のことで、のちの巴波川の舟運にも助けられ、嘉右衛門町、というか栃木町(今の栃木市のこと)は大きく発展していくことになった。
東側を並行する、車通りの現例幣使街道と違って、旧のほうはほとんど車も通らない。鷹揚とした気分で歩くことができる。まち歩きでは大事なポイントだと思う。
湯西川対策でめちゃめちゃ厚着をして行ったら、あろうことか2月にも関わらずこの日は5月並みの陽気。
平地に下りてきたことも手伝い、今度は暑さに悶えながら歩く羽目に。ホントこういうのやめてほしい。。
代官屋敷と書かれた看板にこの町の古さを思う。ちなみにその代官屋敷こそが、かの岡田家のお屋敷。途方もない広さの敷地は現在、「岡田記念館」として一般公開されている。
岡田記念館入口。今年の夏から土~月、祝日のみ開館になったそうで。入場料は翁島別邸との共通券で800円。
まぁ入りませんでしたが。というわけで先へ進みます。
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コメント
ここは素晴らしいね。
我々は岡田記念館だけで1時間も鑑賞していました、、、
とくに、昔ながらの床屋跡がいい感じでね。
また、行きたくなりました。
ホントいいところでした。床屋さん、中入れるみたいですね。今度栃木行く機会があれば岡田記念館入ってきます。