中小田井町並み保存地区を歩く

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名古屋から名鉄でわずか10分。西区中小田井(なかおたい)という所に明治時代から残る商家が立ち並ぶ町並み保存地区がある。

観光地化されているわけでもなく、あまり知られていない場所だが、逆にそういうところにこそ本当のよさがあると思うのである。有名になると、往々にして俗っぽくなってよく見せること、儲かることを考え出し本来の姿が失われてしまう。

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そんなわけで、名古屋から赤い電車に乗っかって4駅。わずか10分。

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中小田井に到着。ちなみに前後の駅は上小田井と下小田井。小田井三兄弟。中小田井はたぶん次男坊。

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街道筋にできた町

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中小田井は、すぐ南に庄内川が流れる小さな集落で、かつてはたびたび洪水に悩まされていた。
しかし、江戸時代に転機が訪れる。清洲から枇杷島を経由し犬山へいたる岩倉街道が整備され、その枇杷島へ野菜などを運んだ帰りに味噌や米などの生活用品をここで買って行く人が増えたことで、街道沿いに商家が立ち並ぶ町が出来上がった。

しかし、明治24年(1891年)の濃尾地震でほとんどの家屋が倒壊し、現在残っている町並みはほとんどがそれ以降の建物である。約300mの通り沿いに、切妻造や出格子の商家が並んでいる。

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日曜とは言え、真夏のうだるような炎天下ゆえに通行人はまばら。観光地化されていないことも作用し、歩いてる人は間違いなく地元の人くらいしかいない。
逆にそっちのほうが落ち着いてゆっくり見れるのでこっちとしては助かるわけであるが。

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これまた立派なお宅。ちょっとでいいから中を見てみたい衝動に駆られる。

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これもなかなか。
名古屋の中心部からこれだけ近いところにこんな町並みが残っていること自体ほとんど奇跡に近い気がする。

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中小田井の町並み保存地区と言えば、ここからこのアングルで撮った写真が代名詞とも言えるらしい。
と言うのも、他に絵になるような構図が見当たらないのである。それは行ってみて確かに納得した。いや、わずか300mばかりではあるが町並み自体は素晴らしいのである。
ただ、ここからの写真があまりにインパクトが強くて一人勝ち状態なのだ。

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こんなものを見せられたらここが一番だというのも素直に頷ける。

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ついでに反対からもう一枚。それにしてもポストが渋すぎる。そして小さすぎる。

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と思ったらなんたる偶然か郵便屋さんが来た。なかなか貴重なショットが撮れた。
なかなか絵になるな。でも、欲を言えば収集車が赤じゃなく茶色くらいだったら文句のつけようがなかった。

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きっと花が好きな家主なのだろう。素敵な家に少しだけ心が和む。

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普通に通り抜ければ5分とかからない中小田井町並み保存地区。
その短さとは対称的に、非常に濃い景観が今なお残され、そして今も静かに人々の生活が営まれている。
歴史を伝える生き証人としていつまでもその姿を後世に伝えていってほしいと切に願う。

[訪問日:2013年8月11日]

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