2016年、ついに「住みたい街ランキング」の首位から陥落したことが記憶に新しい吉祥寺に、約10年ぶりにやって来た。
北口の駅前にある『ハモニカ横丁』を見に来たのである。
名前の持つイメージやブランド力だけに惹かれてこの地を選ぶ若者は後を絶たない。
住みやすさ、周辺環境、利便性などを徹底的に調べた上で、さらに実際自分の足で歩いて住む場所を決める筆者からすれば死ぬほど苦言を呈したい話なんだけど、まぁここでそれを言っても仕方ないので止めときます。
あまりにも人気が高い街なだけに、『ハモニカ横丁』についても各種キュレーションサイトでどう見てもWikipediaから引用しただろうとツッコみたくなるような判を押した内容で紹介されまくっている。
ずっと前から行きたかったけどなかなか食指が動かなかった理由がこれ。
元闇市の駅前横丁
なので今さら説明するのもおこがましいところではあるんだけど、『ハモニカ横丁』とは駅徒歩1分にある、戦後闇市が起源の商店街のこと。
ここに住もうとしてる人は闇市が何なのかってことぐらいは知っておいたほうがいいと思いますよ。真面目に。
早速中へ。路地を照らす蛍光灯がいかにも昭和臭くて良い感じ。
細い路地に店舗がひしめくように並ぶ光景は闇市系商店街そのものだけど、入居するお店の雰囲気は照明等含めかなり今風。このギャップがちょっと新鮮。
そうかと思えば、手付かずの昭和が残るエリアもあったりしてなかなかバラエティに富んでいる。
ここもご多分に漏れず再開発の話が何度も浮上しているが、膠着状態が続いているそうである。
まぁ個人的にはしなくていいと思いますけどね。今でも集客力あるし立地が良いし何よりこの雰囲気を壊してほしくない。
ハモニカ横丁は、ざっくりと縦に4本の通りがあって、それらを貫く通りが真ん中、東西に走っている。
東から「仲見世通り」「中央通り」「朝日通り」「祥和会通り」と続く。で、朝日通りと祥和会通りの間に先ほどの「のれん小路」がある。
おなじみ、「サトウのメンチカツ」で有名な肉屋さとう。(二階はステーキハウス)
この日は平日にも関わらず大行列。さらに週末ともなれば某夢の国のような状態になるらしい。
どっちでもいいよって言われそうだけど、そう言えばここの正式名称は『ハーモニカ横丁』。ただ、『ハモニカ横丁』のほうが浸透しているようで後者が使われることのほうが多いとか。
再開発の話を書いたときに思い出したけど、そう言えば立石の呑んべ横丁はいよいよ待ったなしの状況になってきたみたい。すぐすぐ消えることはないとは思うけど、こういう雰囲気が好きな方は早目に足を運んでおいたほうがよいと思う。
それにしても雰囲気のいい店が多い。善良な一市民は近寄りがたい場末感を期待してたんだけど、完全に肩透かしをくらった感じ。
ハモニカ横丁の人気店、「ハモニカキッチン」。雑多なメニューをリーズナブルに楽しめるようで、実に場にふさわしいお店だと思う。
おもむろに上を向くと、こんな天井が視界に飛び込んできた。
やっぱりここは70年近く経つ元闇市なんだな、と実感。
こういうのを撮ってるとこの人頭おかしいのかなって哀れみの目を向けられることが往々にしてあるんですが、大丈夫ですもうすっかり慣れました。
手ぶらで帰るのもアレなんで、小腹を満たして行くことに。たい焼きののぼりが目についたのでいいやここにしよう。
珍しい羽根つきたいやき。実は結構な人気店のようで、通常は行列ができているんだとか。
平日に来たせいでわからなかった。
夜に来たら、若いOLたちが会社の同僚とワイワイやりながら飲んでる光景が見れそうなお店が意外と多かったハモニカ横丁。
個人的には、古き良き部分が失われなければそれでいいんだけど、10年ぐらいしたらすっかりキレイに建て替わっているような予感がするなぁ。
またいつか足を運んでみたい。
[訪問日:2016年5月12日]
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