名古屋には、市から「町並み保存地区」に指定されている場所が4ヶ所ある。いずれも、伝統的な建造物を有する保存に値する重要な地区であり、そのうちのふたつは以前紹介した中小田井地区と四間道である。
名古屋城の西側にあった四間道に対し、東側には白壁・主税・橦木の町並み保存地区がある。
たぶん初見だと読めないと思うので一応カナを。「しらかべ・ちから・しゅもく」と読みます。
最寄り駅は名鉄瀬戸線の東大手駅。栄町から一駅なので、栄あたりにいれば歩けると言えば歩ける距離だったりする。まぁ、容赦ないほどの猛暑日だったため迷わず電車に乗りましたが。
東大手駅から東へ進み、国道41号線を南下した最初のブロックが目的地となる。路地へ入るとこんな風景からスタート。
名古屋の超高級住宅街
元々この地区は江戸時代には武家屋敷があり、明治以降は高級住宅街となった。トヨタの創業者一族やソニーの創始者など、名古屋の政財界の要人たちが住居を構えていたと言えばだいたいどのような場所かおわかりいただけると思う。
奇跡的に空襲の被害から逃れたおかげで、武家屋敷時代の区割りと起業家たちが建てた近代洋風建築が残る、美しい町並みを今に伝えることになったわけである。
ここの特徴は何と言っても名前にもなっている白壁と、この黒塗りの塀。名古屋都心部でこのような場所はおそらく他には見当たらないと思う。
そして何より広い。以前紹介した中小田井と四間道がともに2.8ヘクタールなのに対し、ここは14.3ヘクタールと実に5倍もの広さを誇る。
旧豊田家の門。ひとつ前の写真がこの左側から撮ったもので旧豊田家の塀。
トヨタ自動車の創始者豊田佐吉の娘婿が建てたもの。
中は普通のマンションだったりするギャップがまた何とも言えない。
すぐそばにはこれ。「口入差聞新便郵」
100年くらい経ってるんじゃないかな。素晴らしすぎます。
お、あったあった。白壁と黒塀のコラボレーションが見事なアングルを一枚。
老舗料亭の「か茂免」。なんか当て字みたいですがきっと「かもめ」ですよね。
1928年(昭和3年)創業と、老舗中の老舗。ぐるなびやたべログにも載ってますが、場所が場所だけにやっぱりけっこういいお値段。
近代洋風建築の類ではないけど、こんな式場もあった。
場所柄、地味に景観にマッチしていたのがなかなか乙な感じで。
式場って格好の被写体になるなぁと改めて思ったり。
白壁櫻明荘。なんだろうと思ったら、元料亭で今はマンション。
いや、実はマンションではなく億ション。正式にはグランドメゾン白壁櫻明荘。
調べてみたら3LDKで1億円超えてました。びっくり。
ほうぼうのガイド記事にも書いてあるけど、この界隈、白壁や黒塀のみならず実はけっこう樹木が多い。
その緑が色彩に彩りを添え、より深みのある景観を作り出している。なるほど、歩きながらそんなことを思ったりした。
特に夏のまちあるきはね、木陰があるとないとではある意味生死を分けると言っても過言ではないわけですよ。
皆さんも夏場は熱中症には気をつけてくださいね。
コメント