立っているだけで目眩がするような日だった。
全身から容赦なく汗が噴き出し、まるで体力という名の塊をスクレーパーでゆっくり削り取られているようであった。
それにしても・・
– どこにいても夏は暑いな –
肌にはりついたTシャツの位置を直し、旅の前途を祈った。
終わりのないノスタルジア、山陰
「終わりのないノスタルジア、山陰」というキャッチーな惹句と中条あやみの透明感が旅人の心をガッチリ掴んだJR西日本の山陰推しキャンペーンが、先月終わった。
図らずも、一年先取りする形で昨夏、筆者は山陰地方をガッツリ旅していた。メインとなったのは、神々のふるさと「島根」である。
島根と言えば、縁結び界の頂点に君臨する神様がおわす出雲大社である。
その出雲大社で渾身の祈りを捧げたあとに向かったのが、出雲市内の「平田」というところだ。
ここは江戸から明治にかけ、木綿の栽培と取引で栄えた場所。
ちょっと待った。詳しい説明はいったん後にしよう。
あまりの暑さでHPが0に近かったので、アイスの文字に釣られて商店のドアをくぐった。
そこは明治30年創業の醤油屋、「岡茂一郎商店」。
店主が語るアツい醤油愛に薫陶を受けながら、頂いたのが…
こちらの「醤油愛す」
何とも言えない未体験な感じだったけどなかなか滋味だった。
しかしさすがは縁結びの街、出雲。まずこのネーミングにハートを射抜かれた。
エネルギーも愛もチャージできたところで、さて散策を再開しよう。
木綿街道
木綿で栄えただけに、このまちは「木綿街道」と名乗っている。
この街道、ざっくりとL字型をしており、北側の端っこが鉤型になっている。
これは城下町だった頃の名残だそうだ。(近くに平田城跡が残っている)
全長600mほどの路地に、白壁の土蔵や妻入りの町家、商家が並ぶ。
よく整備されており、ノスタルジックながら清潔感漂う町並みがそこにはあった。
特になまこ壁がよく目につく。
白漆喰との合わせ技で滲む統一感と風情が心地よい。
実を言うと、この木綿街道はどうしても時間が余りそうだったため「どっかないか・・」と調べたことで知った場所で、行く前はほとんど消化試合みたいな感じだった。
そんなんだったから、、そら驚くわけですよ、、
こんなすごい建物がごろごろ残ってるんだもの。
オラもうビックリだよ
全国にはこういうお宝みたいな町並みがまだまだたくさんあるんだろうなぁ・・
まだまだ死ねないなぁ、なんてことをつくづく思ったりする。
弁柄の板壁がめちゃめちゃ艶めかしい。
見どころだらけなもんだから、1ページにまとめるのはやはり無理だった。
もう少しお付き合いください。
(2ページ目へ続く)
コメント