2021GWの岡山遠征。
一日分書くのに実にひと月近くも擁してしまったが、矢掛宿を散策後、初日はそのまま矢掛で宿を取った。
もちろん、宿は文中でも紹介した「矢掛屋(「矢掛屋 INN&SUITES」)」である。
株式会社矢掛屋が運営している「矢掛屋本館」。
この本館を皮切りに、すでに5棟もの宿泊施設をオープンさせている。
泊まったのは、その5棟のうちのひとつ「あかつきの蔵 INN」。
正確に言うと「蔵 INN」は2棟あり、私が泊まったのは蔵 INN KURABI -蔵の美術館- のほう。
江戸時代からの米穀店の蔵、つまり米蔵をリノベーションしたものである。
矢掛屋は「本館」、日帰り温泉を兼ねた「温浴別館」の宿泊客は本館で手続きをし、「備中屋長衛門」「蔵INN KURABI」「蔵INN KAMON」の宿泊客はあかつきの蔵で手続きをするシステムになっている。
最初、チェックインで本館に行ってしまい、あかつきの蔵を案内され、そこでようやく手続き完了。
クルマを二回も移動することになってちょっとめんどくさかったけど、これにはちゃんとした理由があることをあとで知った。
日本初のアルベルゴ・ディフーゾ
今でこそちょくちょく聞くようになったが、「分散型ホテル」というものをご存知だろうか。
「フロント」「客室」「食堂」などを別々の建物に分散させてまち全体をまるごとホテルに見立てることで、宿泊客が自然とまちを回遊することになり、地域内での経済効果を高めることに繋げる地域活性化の手法である。
発祥はイタリアで、イタリア語で『アルベルゴ・ディフーゾ』と呼ばれる。
地方で空き家となった古民家をリノベーションする事例が近年とみに増えているが、古民家リノベーションはこのアルベルゴ・ディフーゾと親和性が高い。
「矢掛屋 INN&SUITES」は、実は日本でのアルベルゴ・ディフーゾの認定第一号という栄誉に浴している。
平成30(2018)年のことである。
蔵INN KURABI
サブタイトル「蔵の美術館」の通り、一階はミニギャラリーになっている。
客室は二階で、全7室という間取り。
こちらのKURABIはおもに一人旅やビジネスユースに最適化された宿となっている。
廊下からの眺め。
路地に面して向かい合うのが蔵INNの別棟である「蔵INN KAMON -家紋-」。
廊下の様子。
チェックアウトは、追加の精算がなければ階段上に設置されたボックスにキーを落とすだけの親切設計。
フロントが離れてるので実際のところこれはありがたかった。
部屋はいたって普通のビジホと変わらないので、特筆すべき点は何もない。
分散型ホテルに泊まるとこうなった
まず、チェックインのあとにすることと言ったら食事と入浴。
夕食は矢掛商店街のお好み焼き屋に入った。
風呂は矢掛屋の「温浴別館」へ。
宿泊施設5棟のうち、蔵INN以外は無料で入浴可能。
なんか…損した気分w
強制的に夜に矢掛宿の町並みを歩かされることになったので、「せっかくだからカメラ持ってくか」となった。
で、散歩がてら夜景をパシャパシャっと。
普段はしない行動を取る・・これがアルベルゴ・ディフーゾの効果なのかと。
建物も路地もライティングされていて夜景もなかなか良かった。
部屋に籠もってたらこんな景色も見れなかったよな。
ちなみに朝食会場は「あかつきの蔵」だった。
お土産も売ってるのでついついなんか買ってしまいそうなこの動線はうまいなぁと。
他の宿泊棟
蔵INNのお隣にある総ベンガラ色の「備中屋長衛門」。
さすがはうなぎの寝床な矢掛だけあって、横から見ると長い長い。
路地を挟んだ反対側には、もう一棟の蔵INN、KAMONがある。
ここが一番新しくて、1階・2階ともに3室の計6室がある。
ロビーの様子。
分散型ホテルに泊まったのはたぶん矢掛が初めてだったと思う。
この1ヶ月後ぐらいに、ひょんなことから丹波篠山でもやることになったが、河原町で食事を取って町並みの夜景を堪能して。
一度入ったら基本チェックアウトまで出ることのない旅館とは違った体験が出来て面白かった。
せっかくなので、今度矢掛に行くことがあれば別の棟に泊まってみようと思う。
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