ちょうど2泊3日の日程で山陰方面へ出かける予定を立てていたところに、鳥取県の若桜町が「重要伝統的建造物群保存地区」になったというニュースが飛び込んできた。
2021年8月のことである。
このタイムリーなニュースによって、若桜を旅程にねじ込むことが必然的に決定した。
そう言えば前回の鳥取も雨に降られたっけな。。
この若桜町は、約6年前に『昭和おもちゃ館』を訪ねるために遠路はるばるやって来た町だ。
あのとき町並みも一緒に撮っておけば再訪せずに済んだが、当時は古い町並みにはあまり関心がなかったのでしょうがない。
結果的に、“町並み”の歴史や建物に関心を持ち、多少なりとも造詣を深められたこのタイミングで来れてよかったように思う。
役場には重伝建選定を祝う横断幕が掲げられていた。
こういうの見るとなんか無性に応援したくなるのよね。
About 若桜
若桜鉄道の終着駅である若桜町は、かつては姫路と鳥取をつなぐ若桜街道(国道29号線)の宿場として栄えたまちである。
17世紀初期に廃城となった鬼ヶ城の城下町を起源に持ち、江戸時代に宿場として整備された。
姫路と鳥取を結ぶ街道と言えば「平福」や「大原宿」を経由する因幡街道があるが、若桜街道は脇往還の位置づけにあたり、こちらも因幡街道と呼ばれる。
現在若桜街道と呼ばれるのは、文字通り若桜がある鳥取側の一部区間のみだそうだ。
若桜宿は宿場としての機能を有しつつ、物資の集散地として栄えた商業のまちだった。
その証拠に、重伝建の種別は城下町でも宿場町でもなく「商家町」となっている。
若桜では明治18年に大火があり、宿場のほとんどが焼失。
今に見られるのはその後復興した町並みであるが、防火対策の観点から道路を拡幅するために土台を引っ込め、「仮屋(かりや)」という庇を設け、さらに川(「カワ」)を付けることが取り決められた。
メインストリートが「仮屋通り」または「カリヤ通り」とも呼ばれているように、若桜宿における最もシンボリックな景観となっている。
雪や雨の日に傘をささずに歩けるように造られたカリヤは、昭和初期には約800m続くいわゆるアーケードの様相を呈していたと言う。
役割的には青森県の「こみせ」と同じ類と言えよう。
無論、カリヤの誕生には若桜が豪雪地帯であることにも深い関係があろうと思う。
この地方は冬には洒落にならないぐらい雪が降る。
「若桜民工芸館」が一般開放されていたのであとでじっくり見ることにし、ひとまず先へ進む。
若桜の建物は基本的に平入りで、明治に建てられたからか中二階と本二階が混在していた。
特徴としては格子やなまこ壁がよく見られる。
近年とんかつ屋になったように見えるこちらの建物には、おなじみの「登録有形文化財」プレートが。
お久しぶりの昭和おもちゃ館。
元気そうで何より。
保存地区は仮屋通りに沿って約1km続く。
程よい距離で歩きやすい。
かりや横丁。
典型的なうなぎの寝床スタイルで奥へ仮屋が続いていた。
洋風建築がガッチャンコ。
カッコいい(*・ω・*)
造り酒屋さん。
仮屋がないと雨の日がどれほど大変か、身をもって理解できました。
本当にありがとうございました。
立派な蔵だ。
そう言えば商家町にしては蔵が全然見当たらなかったような・・?
(この答えはもう少し先で)
「若桜迎賓館」と物々しい名前が付けられたこちらは昭和9年築の古民家を改修したもので、多目的な交流施設としてイベント、展示、研修などで活用されているそうだ。
なんだ・・超VIP御用達のすごい建物かと早とちりしてしまったじゃないか。
カリヤ通りはここまで。
続いて駅寄りに並行するもう一本の路地をご案内。
(2ページ目へ続く)
コメント