天草の最果て、牛深まで行った。
そこから熊本へとんぼ返りし、さらにフェリーで島原へと渡った。
どう考えても夜行バスで現地入りした初日にぶちかますようなプランではなかった。
我ながら無茶苦茶な旅程を立てたなぁ・・と苦笑しながら島原港に降り立ったまではよかったが、港のまわりに
営業してる飲食店が一軒もなかった。
そしてセブンイレブンの弁当をホテルで泣きながら食べた。
こうして長い長い一日が終わった。
長崎へ
二日目。
湊新地を横目に、いつの間にか南島原駅から改称していた島原船津駅で電車を待った。
初日とは打って変わり、どんより重い空だった。なぜならこの日は、あの多摩川を氾濫させ、各地に甚大な被害をもたらした台風19号が関東に上陸した日だったからだ。
台風の進路次第ではキャンセルもあり得たこのときの旅は、すべてにおいて運がよかった。
多少風が強くなってきたが、海ベタを走る島原鉄道は遅延も運休もなく予定通り終点の諫早へすべり込んだ。
諫早で再びクルマを借り、その足で長崎市内へと向かった。
天満市場
長崎に着いた頃には青空が広がっていた。
長崎市に来たのは8年ぶり二度目。そういや前回は軍艦島のためにはるばる関東から車で来たなぁ・・と懐かしさがこみ上げてきた。
今の自分にはもうあの頃の体力はないだろう。
歳を重ねることは、無理をしなくてよいと言うことを教えてくれた。
さて。
長崎では手始めに、新大工町にあるレトロ商店街「天満市場」を見学しに行った。
長崎市内は山と港に囲まれたすり鉢状の地形をしている。
基本的に坂が多く、道は狭い。
さらに市街地には一方通行も多い。
土地に不慣れな人間が車での移動にものすごく難儀する街だと思う。
ここへ来るときもちょっと迷走してしまい、ようやくコインパーキングに車を滑り込ませた。
この天満市場は、昨年2月、45年の歴史に幕を下ろした百貨店「長崎玉屋」の裏手に位置している。
この市場もまた相当長い歴史を背負っているように見えたが、残念ながら一部は完全に空洞化しているなど活気が失われて久しかった。
市場は南北に二本、並行していた。
西側が「天満市場」、そして東側が「新天満市場」。
それでもまだ、しっかりと地域の方々のニーズに応える店がいくつもあるのは素晴らしい。
初めて来たけど勝手に応援したくなった。
続いて新天満市場。
言うてこっちも完全なレトロ市場である。もはや新旧もへったくれもない。
※新天満市場は2020年末をもって老朽化で閉場。2021年に取り壊されました。
むしろ新のほうが危機的状況だった。
み、店がほとんどない・・
再開発の話でも持ち上がっているのだろうか。
新しいテナントを募るでもなく、今入居している店がなくなるタイミングを待っている。そんな風に映った。
魚屋の佇まいが素晴らしすぎて気絶しそうになった。
結論から言うと、新天満市場のほうがレトロ指数は格段に上だった。
もう圧勝レベル。
美味しそうな果物が陳列されていた。
自分の車で来てれば買えたけど今回は無理だ。残念。
長崎へ来たらまずは天満市場へ!!
[訪問日:2019年10月12日]
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