灘センター商店街と灘中央筋商店街、そして水道筋商店街に挟まれた一角に『灘中央市場』はある。(黄色いエリア)
灘中央筋商店街側の入口。
もう足を踏み入れる前からワクワクが止まらない。
再開発でとうとう解体されてしまった垂水廉売市場を彷彿とさせる激渋な雰囲気。
驚くなかれ、実は垂水廉売市場より古いのである。
設立は、なんと大正14年!!
1925年である。
つまりどういうことかと言うと、あと2年で百寿。来年には白寿を迎える。
大正7年の丸五市場と同レベルの歴史を持つ、スーパー長寿市場なのだ。
内部は二本の路地が並行する、比較的よく見られる構造をしている。
灘中央市場では活性化の為に色々な取り組みが行われているようで、そのひとつがこの家庭菜園。
地域住民との交流を目的とした「いちばたけ」という名の畑である。
何を隠そう、実は筆者も貸し農園で家庭菜園をやっているので、目をキラキラさせながらこの「いちばたけ」を眺めていた。
いい取り組みだなぁと。
農業はいいぞ。
北側の入口は商店街ではなく、住宅街の路地に面していた。
これが北側入口。
歴史の重さを感じさせる風格が漂っている。
再び市場の中へ。
昔デパートの屋上でよく見かけた類の遊具が普通に今でも置いてある。
一体何年前からここにあるんだろうか。
というかまだ動くのだろうか。
よくよく見ると天井の隅がアールを描いている。
どこかで見たような憶えはあるものの、あまり見ないタイプである。
この日は出会わなかったが、食料を求めて野良猫が入り込んでくるのかもしれない。
しかし改めて思うが、忖度なしで文化遺産モノだと思う。
この景色は何としても後世に残さなければならない。
西側、灘センター商店街側の入口付近。
入ってすぐ二股に分かれる、Y字のようなつくりになっている。
これが西側入口。
外観は東側と同じ。
なお、中で二手に分かれる関係上、中央筋商店街側は入口が二箇所ある。(最初に入ったのは北側)
今度は並行する南側の路地を歩いてみよう。
行ったのが日曜だったからなのかどうかはよくわからないが、シャッター率は比較的高かったように思う。
気になって調べてみると、やはり高齢化による店舗数の減少に直面しているようで、存続の危機に立たされていることが・・、そう、公式サイトに書いてあった。
こんなワールドクラスで古い市場にまず公式サイトがあること自体が驚きだし、しかもそれが妙にモダンなサイトなので二度驚いた。(ちゃんとSSL化もされてる!)
存続に向けた市場の本気を垣間見た気がする。
これは是が非でも応援せねばならぬ。
という訳で、この記事を読まれたレトロ市場愛好家の方々におかれましては、万障お繰り合わせの上足を運んで頂けますと幸いでございます🙇♂️
さて、名残惜しくももう出口が近づいてきた。
お惣菜屋さんに海産物屋、そして八百屋。
この並びが圧巻だった。
入ってすぐのところには高級鮮魚店。
プロの料理人御用達の店も多いそうで、それだけよい品物を扱っているということなのだろう。
灘中央筋商店街に面した南側入口でゴール。
灘(王子公園)の市場群で、核となるのが今回歩いた「灘中央市場」になろうかと思う。
2025年8月に迎える創立100周年には、是非とも足を運んでみよう。
どういう進化を遂げているか。今から楽しみである。
[訪問日:2021年11月14日]
コメント
この界隈が私が住んでみたい街の筆頭のひとつです。
空きテナントたくさんありましたよ(笑)
私は湊川~新開地あたりですね~。