船橋駅の南西側にあった海神新地(船橋遊郭)の名残を求め歩いてきた。後編も引き続き付近を散策する。
灰燼新地
2009年2月16日のことであるという。
海神新地、最後の遺構となった『吾妻屋』の建物が不審火により、その歴史とともに灰燼に帰してしまった、と。「かいじんしんち」だけにw
とまぁくだらない冗談はさておき、その場所には何か中途半端な高さの柱が道路脇に建っている。
それは・・当時の街灯の支柱。ここに新地があったことを示す、確かな証拠ではないか。
歴史の生き証人に選ばれたのは、実に一本の柱。何とも趣深い。
同じ通りには、味のある木造住宅も残る。玄関周りだけはリノベーションされてるけど、総じて昭和初期~戦前という感じ。
こうして新旧の対比を見るとそのコントラストの強さがよくわかる。
旧『吾妻屋』の裏手の道には、古そうな長屋が一棟。
こちらもまた相当古そうなラーメン屋だ。
驚くのはそのめちゃめちゃ渋い外観だけではなく、ラーメンが400円未満だということ。
昔から値上げしてないのかな・・。
食べログにも載ってるお店なんだけど、2024年2月現在「掲載保留」となっている。閉店してしまったのだろうか。
そしてそのラーメン屋さんの斜向かいにあるのが・・
「ミネ」という特殊なお風呂屋さん。峰不二子のような妖艶なお姉さんは・・おそらくいないだろう。
周囲は完全に住宅街。こんなところにこんなものが、という典型的な色街の名残である。
そして「ミネ」の斜向かいには、パンチの効いた木造バラックが朽ち行くままに打ち棄てられている。これはすごい。
黒焦げたように変色している様は、まるで焼夷弾でも見舞ったかのようである。
かつて、千葉県最後のストリップ劇場、「若松劇場」があった場所。2013年に、44年続いた歴史に幕を閉じた、こちらも消えてしまった新地の名残である。
ここで欲求のゲージを上げ、奥に見える「ミネ」ですべてを放出するという、いたってシンプルな構図がここにはあった。
海神新地の遠景。
微かに残る色街の残照。
その背後にはタワーマンションがそびえ立っている。
いずれ、往時の名残を示すものは完全に消えてしまうであろう。儚い限りである。
おまけ。駅に戻る途中で見かけたスナックの廃墟。
地味な盛り場を形成していたので、おそらく新地に向かう行く人を先んじて取り込む青線的な場所だったのではないかと思う。
[訪問日:2015年5月30日]
コメント
そうか~!私も比較的に近いものだから
行かないでいました。
ストリップもなくなりましたか、、、以前はOSとか数件存在したいたのですがね。
いやぁ、見所は何もないってわかっていたのでずっと二の足を踏んでいたのですよ^^;
西船OS劇場、ですか。96年頃に閉鎖されたようですね。ストリップは・・やっぱり時代の流れですかね。