名古屋城の東側にある名古屋を代表する高級住宅街、白壁・主税・橦木町並み保存地区。前編ではその北側を歩いてきたので今度は南側を見ていくことにする。
このエリアには東西に走る三本の筋があり、北から白壁町筋、主税町筋、橦木町筋となっている。まんまですやん。。
江戸時代、主税町には武家屋敷があり、今でもそこには当時の長屋門が残っている。
昭和40年代に塀と長屋の一部が撤去され今の大きさになったそうで、それでも当時のものが同じ位置にずっと残っているというのは一見に値する。
ちなみに長屋門とは読んで字のごとく、長屋の一部を門とした建築物。武家屋敷に採用されたが、この形式は尾張藩では百石~一万石の中級武士が住んだとか。
江戸時代にはこのような長屋だらけの町並みが続いていたのでしょうね。
長屋門のそばには、白壁カフェという涼しげでこじゃれたカフェが。本気で暑い日だったので入りたかったんだけど、一度入ったら出るのが苦痛になるのがわかりきっていたので泣く泣くスルー。
二葉御殿
こちらは文化のみち二葉館。
日本初の女優として知られる川上貞奴が、福沢諭吉の娘婿となり「電力王」の異名をとった福沢桃助と1920年から6年間ともに暮らした邸宅で当時は「二葉御殿」と呼ばれていた。
現在は資料館として使用されている。
橦木町筋にある、ぶんかの道橦木館。
行ったときたまたま工事中だったんだけど、ここは陶磁器商の井元為三郎の旧邸宅。
高級マンションや洋館しかないと思ってたら、四間道で見かけたような渋い町屋風家屋がしぶとく残っていたりもする。なかなか味わい深い町である。
堀美術館。ここだけ妙に真新しいと思ったら2006年オープンだそうで。
ダイテックグループ創業者の堀誠氏が自ら集めた美術品を公開するために建てたのだとか。
旧豊田佐助邸。豊田佐助は、トヨタグループの創始者で発明王の異名をとった豊田佐吉の弟。兄を支えた実業家として知られている。
お隣は旧春田鉄次郎邸。
陶磁器の貿易商として成功した人だそうで、この邸宅は大正モダニズムの影響をモロに受けた和洋折衷の造りになっている。
中は公開されているが、レストランになっている洋館のほうは見学できない。中を見たければ食事しなさいって話ですね。わかります。
そろそろまち歩きもクライマックス。
というか暑すぎて体力的にそろそろクライマックス(;´Д`)
カトリック主税町教会。1887年(明治20年)に置かれた教会は、当時の武家屋敷を買い取って長屋を改築して作られたとか。
建てたのは、このエリアの布教をしていた日本人医師とフランス人宣教師。
正面にある聖堂は、1980年に修復工事が行われたそうで確かに見た目はそんなに古さを感じさせない。
最後がこの大森家住宅。橦木町筋の一番西側にある。
大正5年頃に建てられたので、来年でちょうど100歳ということになりましょうかね。右側にちょろっと見えているのが伊藤家住宅。こちらも大正初期で駒寄せがあるのが特徴。
町並み保存地区ってそれこそ全国各地にあるけど、そのどれもがその土地の文化的背景と密接な関係があって、その歴史を知ることでまた違った見方ができたりするしそのほうが歩いていて楽しかったりする。
名古屋の場合は城下町として栄え街道が置かれたという歴史がある。
あくまで主観的で自己満足な趣味だけど、町の雰囲気を少しでも伝えられればという思いでこれからも文章を綴っていきたいと思う。そこを訪れたいと思ってくれる人が一人でもいれば嬉しい限りである。
[訪問日:2013年8月12日]
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