とうとう年貢の納め時…俺たちの『垂水廉売市場』は永久に不滅です

兵庫県
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神戸レトロの重鎮とも言える垂水廉売市場。

何やらその周囲がきな臭くなってきたようだ。

10年以上前から再開発話が浮上していたこのエリア。
一部地権者の同意が得られずにこう着していたそうだが、ついにこの夏、再開発事業に対して県の認可が下りたそうだ。

対象区域はまさにこの廉売市場があるところで、商業施設付きの高層マンションを2023年完成目標で建てるんだと・・

イメージ的には先日書いたミナエンタウンみたいなヤツだろうか。

デベロッパーであるN社のプレスを読んでみると

本事業により、駅前の低利用地の高度利用と都市機能の更新を行い、商業施設の整備や居住機能の集積を図り、地域の賑わいを創出してまいります。

 

…コイツは一体何を言っているのか。

 

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再開発は本当に必要か

亀甲マーケットの記事で書いたが、筆者は基本的に再開発が嫌いである。
キレイゴトの裏側はすべてお金である。1ミリもクリーンじゃない。

日本は今、未曾有の人口減少に直面している。
残念ながら好転する兆しはないだろう。

東京の一極集中が問題になっているが、再開発は本質的にはそれと変わらない。
商業施設や大規模マンションで沿線の魅力up、人口流入を促進して税収を上げたい。自治体の思惑はこうだ。

だが、その結果待っているのは都会と地方のさらなる格差の増大でしかない。

都市部がこんなことを続ける限り、いくら地方創生や地域活性化を謳ってもそれは絵に描いた餅でしかない。

現代はとにかく効率化や合理化を求め過ぎだ。
こういう平屋の商店街が経済的にも機能的にも見合わないのは理屈としてはわかる。

でも・・

 

それでいいじゃん。

何か問題なの?

 

ムダを排除して均質化を求めても何も面白くない。

それぞれの街に色んなムダがあって、格差も小さくて、住みたいところを自由に選択できる。

個人的にはこんな社会がいい。

この垂水廉売市場だって、立派な街の個性である。
これを見るためにはるばる関東から来る人だっている。

こういう古いものに癒やしや満足感を得る人は一体どれぐらいいるだろうか。

こういう場所が消えるたび、日本がどんどんダメになっていっている気がしてならない。

よく昭和は「古きよき時代」と形容されるが、昭和遺産たちは最期にそのことを我々に思い出させてくれる。

年配の人からしたら“郷愁”のような感情かもしれない。だからむしろ当時を知らない若い世代にこそこういう景色を見てほしい。

そこに根付く人との触れ合い、人情・・それらを肌で感じてほしい。
平成の日本で急速に失われてしまったもの。

 

昭和遺産はカリスマ性を兼ね備えた現代のロックスターだ。
けど、バンドにはいつか必ず終わりが来る。

そして、人の命も有限である。

この景色がまだここにあるうちに。

一人でも多くの方に目に焼き付けてほしい。
そう思える場所が、神戸の垂水にはあった。

[訪問日:2019年4月27日]


コメント

  1. 同行二人 より:

    欧州のように旧いものを直しながら使っていく街づくりが日本にもっとあって良いと思うんですけどね。それだけでは振り向かない人も多いし、防犯や耐震の面ではそうもいかないのかもしれませんが・・・

    • machii.narufumi より:

      古くなったら捨てる、壊れたら捨てる。日本人の悪いところですよね。
      新しいものが尊ばれる風潮は何なんだろうって思います。
      ただ、丸五市場のようにやり方次第では集客はできるんですよ。高齢化でそういう新進気鋭の人がいないわけなんですけど・・

  2. 同行二人 より:

    僕が日本人?に見直して欲しいなと思うところはここにほぼ全て書いてくれてました。

    http://www.city.kobe.lg.jp/information/public/online/gorogorokobe2/170628.html

    この価値をどうしたら今の世代やライフスタイルの中に取り込んでもらえるのか,思いを巡らせています。

    • machii.narufumi より:

      いい記事ですね。
      ただ、価値がわかったところで現実的には難しいでしょうね。
      共働きが増えてる現代で昼間市場に行ける層は限られるし、市場自体も老朽化や跡継ぎ問題があって・・
      難問です。

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