名古屋色街カルテットその4『名楽園』

愛知県
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名古屋市は中村遊郭跡に残る遺構たち。実は行く前からわかっていたことではあるが、今回どうしても確かめなければいけないことがあった。

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消えた長寿庵

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大門通り、寿町あたりに一本の木が立っている。横には真新しい個人宅。
いや、違う。以前来たときはこうじゃなかった。

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これが2013年8月に撮影した同じ場所の写真。
ここには「長寿庵」という、これまた市の都市景観重要建築物に指定されている立派な妓楼が建っていたのである。2014年10月頃に解体され、件の指定も解除されてしまった。

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この長寿庵、中村遊郭の遺構の中では最も有名だったと言っても過言ではなく、それはこの「美人画」が放つ存在感があまりにも強烈だったからに他ならない。

すべては無に帰してしまった。
たまたまとは言え、ここに足を運んでこの目で見ていた自分はまだ運がよかったのかもしれない。

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旧牛若楼

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一本南の通り、大門町にやって来ると、転業旅館として余生を送っていた「旧牛若楼」が、第三の人生として蕎麦屋になっている光景を拝むことができる。

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そこから少し東へ行くと、完全に放置されて荒廃気味の元妓楼がそっと佇んでいる。
前回来たときにいつ壊されてもおかしくなさそうだと思っていたけどまだ健在だった。

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玄関は割れてガムテープで補修されており、見るも無残な状態。

※こちらの旧「美園」も、2019年11月についに取り壊しが始まりました。

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ピアゴ中村の西側、大門交番の前に残る遺構。かつての屋号は「春福」。
妓楼にカフェー建築がガッチャンコした和洋折衷の素敵な建物。

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妓楼側には往時の屋号が残り。

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カフェー側には「TSURUNOYA」と書かれている。
ツルノヤ??

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裏側から見ると、いかに巨大な妓楼だったかが分かる。同時に裏側を見ると、かなりヤバい状態であることも分かる。

あと何年かして再訪したら跡形もなくなってそうな気がするな。

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さっきの蕎麦屋の隣に、完全無欠とも言えるカフェー建築が残されている。
目の前はピアゴの入口。住民の生活空間にこれほど近接した元色街もなかなかないと思う。

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どことなくテイストがあの五条楽園の有名な遺構に似ている。
個人的にはあっちのほうが好みだけど。

遺構はここまで。あと1ページ。もう少しおつきあいください。

(4ページ目へ続く)

コメント

  1. mura より:

    machii.narufumi様
    いつも拝見しております。
    私も今から10年くらい前、長寿庵をチェックしに訪れたことがありますが、まさかこうなるとは。重要建築物に指定されていても保存は難しいんですね。
    ところで記事を見て、思い出したことがありまして…。
    長寿庵をチェックして名古屋駅に向かおうと、夕暮れ賑町あたりを歩いていたら、道端に座っていたオバサンから「お兄ちゃん、遊んでいかない?」と声をかけられました。新幹線の時間が迫っていましたので、無視してしまいました。
    現在はわかりませんが、周辺には「青」的なモグリの店もあったんですね。

    • machii.narufumi より:

      mura様
      いつもありがとうございます。
      解体の経緯は私もよくわかりませんが、所詮市が定めたものゆえに保存の義務はなかったんじゃないかと思います。。
      10年前、賑町、ポン引きですか・・非常に興味深いお話です。もしかしたら今でも夜になればそのようなことがあるのかもしれませんね。

  2. 木蓮 より:

    こんばんは♪
    以前 津島神社周りを投稿の際 検索したら このサイトに出会いました 
    今回 中村区 大門を 散策できたので 報告します

    稲本楼? ベンガラ亭 2週間前から 取り壊されている真っ最中 
    とっても残念でした 
    名古屋市で保存の動きはなかったんでしょうかね・・・
    河村市長に 聞いてみなきゃね 

    • machii.narufumi より:

      こんばんは。
      私も解体のニュースを聞いて7月末頃に足を運んだのですが、そのときはまだそこまで取り壊しは進んでませんでした。
      今はもうかなり進行してるのでしょうね・・

      これはまた聞きなのですが、稲本はオーナーが保存したくない意向だったそうです。
      残念ですけど仕方ないですね。

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