博多の台所
巷でそう呼ばれている「柳橋連合市場」は、名実ともに博多で最も有名なレトロアーケード。その歴史、実に100年を超えている。
皆さまに喜ばれる
柳橋連合市場
のキャッチコピーと異色な外観が存在感を放ちまくる柳橋連合市場は、博多駅から徒歩15分ほどの立地にある。
ちょうど、前回書いた清川サンロード商店街と住吉通りを挟んで反対側に立っている。
もう先に言っておくけど、正月休みで店は全滅。
ただ、普段は50店舗ほどの商店が軒を連ね、地元の主婦や料理人、さらには観光客などでものすごく賑わっている・・そうだ。
まるで昭和の置き土産
逆に休みでよかったかもしれない。
細部までじっくりと観察ができる。営業日だとさすがにこうはいかない。
それにしても、すごい雰囲気だ。一歩でも足を踏み入れようものなら、視覚を通してまるでマシンガントークのように“昭和”が語りかけてくる。
まさに全包囲網である。逃れることはできない。
Wikipediaには
設立は1918年7月。現在の博多区大浜にあった魚市場（福岡市中央卸売市場鮮魚市場の前身）で仕入れた鮮魚を商った「明（あきら）市場」が活況を呈し、他の店舗も隣接して出店して商店街を形成。
こう紹介されている。ふむ、大正7年か。
ところが、公式サイトにはこうある。
全身は、昭和初期、大浜の魚市場から仕入れた鮮魚を大八車に乗せて販売していた安部明氏の店「明（あきら）市場」。（原文ママ）
昭和初期だと15年ぐらい差が出てくるな・・
気持ち的には公式を信じたいけど、佇まい的には設立100年と言い切ったほうが説得力が出てくるよね。
戦時中は低迷するも、終戦後は闇市もたち急速に勢いを取り戻した。その後に各店舗を取りまとめて柳橋連合と称するようになり、1992年8月に任意組合の柳橋連合市場協同組合を設立する。（Wikipedia）
大体歴史の大枠はこんな感じになるようだ。
OK、だいたい理解できた。
というわけで、この市場は推定100年が経過しているレトロアーケード、と言うことになろう。
市場は全長100ｍほど。やはり福岡だけあり、玄界灘や有明海で穫れた新鮮な海の幸が豊富に扱われているとのこと。
もちろんそれ以外にも野菜、肉、茶、和菓子など、昔ながらの“商店街に行けば何でも揃う”を今なお地で行くすごい市場なのだ。
ここ数年、市場や商店街に興味が向くようになって、調べたりこんな風に実際に足を運んだりする機会が増えてきたんだけど、最もその土地“らしさ”を感じることができるのがこういう古い市場なんじゃないか・・って思うようになった。
特に福岡は、北九州を筆頭に古い市場が多くて、かなり歩きがいのある県だと思っている。
またいつか違うところに住みたい・・って願望が今でも火種のようにくすぶってるので、そのときは“市場”が重要なファクターになるかもしれない。
ちょっと話を脇道に・・
近年、地方移住や多拠点生活がクローズアップされるようになって、ジョブホッパーならぬ「アドレスホッパー」も出て来てるし、するほうも受け入れるほうも物心両面で移住へのハードルが下がってきてる気がする。
全然違う土地に住むと、見聞が広がったり知り合いが増えたり、今までなかなか行けなかったところに行きやすくなったり・・と、自分の経験上メリットのほうがはるかに大きかった。
今いる土地を離れられないやむを得ない事情がないのなら、どんどん移動したらいいと思うよー
移住最高だよー
と、言葉尻は軽いけどかなり本気目に推しておきます。
人生、短いですよ。ホント、できることはできるうちにどんどんやったほうがいいと思います。
で、話を戻し・・たいんだけど、店も開いてないしあまり書くこともない（笑）
そう言えば、ここには公式サイトがあるって話をしたけど、こういう市場でWebサイトを持ってるのってかなり珍しい。
仕事柄、いくらかかったのかな、とかフリーランスに発注したのかな、とか誰が運用してるんだろう、とか色々気になるんですよね。
たぶん有志でお金を出し合ったんだろうけど、ITを活用していこうって言う発想がある限りはまだまだこの市場は安泰でしょう。
あっという間に反対側に抜けた。
こうして見るとアーケードもかなりキてるなぁ。
北九州の台所もすごかったけど、博多の台所もたいがいだな。（誉め言葉です）
ここまで書いてきて思ったけど、やっぱり市場は定休日に来たらダメだね。
写真にまったく説得力がない。。
1軒だけ、カフェが開いてた。
東側の入口にある「マヌコーヒー」さん。
二階の窓際席からは那珂川を望む抜群のロケーション。
柳橋連合市場は、AKB48の『恋するフォーチュンクッキー』のMVにも登場します。要チェック！
※3分18秒あたりです。
[訪問日：2019年1月2日]
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