「ひがし茶屋街」「主計町茶屋街」とともに金沢三大茶屋街の一角をなすにし茶屋街。
どちらかと言えば地味な存在なものの、今でも料亭や芸妓置屋が立ち並び、花街情緒と風情を色濃く残す、コンパクトながら魅力あふれる町並みがそこにはある。
にし茶屋街とは
有名すぎるひがし茶屋街と、そこから近い主計町茶屋街を訪れる観光客は多い。対して、犀川の南側にあるにし茶屋街は、兼六園、金沢城、長町、近江町市場、21世紀美術館など他の定番スポットから唯一離れているせいか、あえて足を運ぶ人はそんなに多くない。
ただ、そのために人が少ないので歩きやすくお洒落なカフェや飲食店もあるので、個人的にはひがしよりもにしのほうが魅力が多いと思う。
にし茶屋街ができたのはひがし茶屋街と同じ1820(文政3)年。ひがしのところで触れた通り、現在のにし茶屋街は明治時代頃から純粋な花街となり、ここの西側、北廓が移転してきた場所はその後石坂遊郭となった。
出格子の茶屋建築と石畳が見れるのはひがしと同じだけど、にしは全体でも100mぐらいしかなくまち自体がかなりコンパクト。お茶屋も5軒だけと花街としても小規模。
と思いきや、在籍している芸妓数が15名(2024年3月現在)と、三茶屋街の中で最多というのには驚かされる。ちなみにひがしは13名。
一応、行き方について書いておくと。
駅から遠いと言ってもここはすぐそばに専用の観光駐車場があるし、周遊バスを使うなら広小路のバス停から徒歩5分ぐらいなのでそんなに大変でもなかったり。
とは言え、“加賀百万石”というのはダテじゃない。今まで日本中あちこち旅してきたけど、金沢に対するイメージはもっぱら、“都市部なのに主要観光地の距離が離れてる街”。
先に挙げた定番スポットを全部周ろうと思ったら、徒歩じゃまず無理で最低でもレンタサイクル、基本はバス。そもそもが駅から遠いというのもあるけど、エリアが広いので最低でも二日は必要。
あと、冬はありえんぐらい雪が降るので、雪が降らない街に住んでる人はその時期は外したほうがいいかも。
雪にはしゃぐより先に転んで怪我します。いやホントに。舐めたらあかん。
これは三大茶屋街どこも一緒ですね。
ここだけ付近の美観を損ねてる(笑)
にし茶屋街の歩き方
で、ここへ来たら何をすればいいのよ、という話になると、見どころが限られる分とてもわかりやすい。
まず、こちらの「西茶屋資料館」。
大正時代の作家、島田清次郎が少年期を過ごしたお茶屋、「吉米楼」の跡地にできた建物で、1階が資料館、2階はお茶屋を再現したつくりになっている。
ちなみに入館は無料。
見ての通りここは人が少ない(夕方とは言え、この日は一応GWですよ)ので、写真撮る人は断然ひがしよりにしを推したい。(ひがしは人が多すぎるので、写真なら早朝がベスト)
あと、この若干場違い感のある洋館。
これぞ、芸妓たちの稽古場としてつくられた西検番事務所。建築は大正11年。
玄関ポーチが特徴的。
食べるほうは、先ほどの落雁屋さんのほかに、チョコレートのお店と甘納豆のお店が有名なので、チェックされてみては。
それと、意外と夜の雰囲気も素敵で、金沢では週末の夜にライトアップバスというのを走らせてるんですが、パンフにはにし茶屋街も夜景スポットとしてバッチリ載ってます。
11月に撮影した、にし茶屋街の夜景。
天気がよかったので雰囲気も最高でした。
たった100mだけど、夜の散歩もオススメですよ。
[訪問日:2017年5月6日]
コメント