魚とレジャーのリトルアイランド。日生諸島「頭島」を訪ねて

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ここのところコンスタントにリリースしてきた岡山編も今回で最終話。
最後に歩いたのは、日生港から南へ4kmほどの沖合に浮かぶ、日生諸島の「頭島(かしらじま)」である。

尤も、日生から橋で繋がっているのでほとんど離島に来た感じはしなかった。

※本土との間に鹿久居島が横たわっているが、2015年に鹿久居島への橋が架かり頭島へは陸路で行けるようになった。(鹿久居島~頭島は2004年に架橋)

頭島は周囲約4kmの小島である。

漁港にクルマを停め、そこから歩いて巡ることにした。
島全体が丘陵地になっているため、内陸に向かうとすぐに傾斜が付き始めるのが特徴だ。

小さな島ながら、日生諸島の中では最も人口が多く約300人の人が暮らしている。
主産業はもちろん漁業だが、蜜柑を中心とした農業もそこそこの規模がある。

また、島の面積とは不釣り合いなほど民宿やペンションが多く、日生諸島の中ではもっぱら観光業の島としての地位を確立しているようだ。

何より本土から近く陸路で行けることに加え、新鮮な魚を容易に調達できる地の利に恵まれ関西近郊からのリピーター観光客も多いと言う。

温暖な気候と風光明媚な景観もまた一役買っていることだろう。

歴史について簡単に。

江戸時代の元禄11年、大多府島に岡山藩の番所が置かれ人が住み始めた。
同時期に頭島にも住み始めたが、本格的に開拓されたのはそこから約100年後のことで、以降は好調な漁業に支えられたりしながら入植者も増えていったそうだ。

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名物旅館「川辺荘」

あてどなく歩いていたら妙な建物に行き着いた。

「川辺荘」と書かれている。
どうやら廃業した旅館に見える。

よくよく観察してみる。

「?」

どうも様子がおかしい。
これはいわゆる“電波系物件”の類ではなかろうか。

次の瞬間、信じられないものを目撃した。

(なんだ、これは…)

屋上には今にも打ち上げられそうなスペースシャトルが乗っていた。
そしてなぜか、その下には巨大なボウリングのピンが設置されている。

まるで事態を飲み込めないでいた。

こ、これは・・

江戸五街道の起点、徳川時代から日本の中心として発展してきた日本橋ではないか。

日本橋・・街道と来れば次は関所か。

残念なことに通行手形の持ち合わせはない。
だが、、関所破りは大罪である。

市中引き回しのあげく磔の刑に処されるのを覚悟しなければならないだろう。

妙な妄想はこれぐらいにしておこう。

この川辺荘は、『探偵ナイトスクープ』に出たこともあるという実にユニークな旅館である。
もう廃業しているが、中は当時のままらしくブログやYouTubeを探せば紹介記事が容易に見つかる。

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たぬき山展望台

頭島随一の観光スポットが、島の最高所にあるたぬき山展望台である。
山と言っても標高は55mなので大したことはない。

南方面は、大多府島と小豆島が望める。
天気がイマイチなのが残念だった。

鹿久居島方面。

集落の家々は比較的新しく、古き良き漁村の風情はあまり感じられなかった。
日生でカキオコを食べたばかりだったので、特に食事する予定もなく。

このあたりで引き上げることにした。

次回は美味い魚を食べに来よう。
機会があれば一泊するのも悪くない。

頭島港

橋が開通してから旅客は激減したそうだが、日生諸島行きの定期便が寄港するようだ。

頭島大橋より。

写真撮ってたら、日生方面にチャリで颯爽と走っていくアジア系の青年たちを見かけた。
頭島は牡蠣の養殖が盛んだが、主力となっているのが中国やベトナムからの労働者なのだそうだ。

納得。

帰路に着くタイミングで折よく日没を迎え、日生湾のあまりに美しい夕景と邂逅するにいたった。
さっき食べたカキオコの余韻を牡蠣筏に重ねながら、楽しかった二日間の出来事に思いを巡らせていた。

― 帰ろう。

さらば岡山。
また来る日まで。

[訪問日:2020年12月13日]


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