うず潮のまちの遊里…鳴門にあった二つの遊郭跡を見てきた

徳島県
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世界一のうず潮が見れる徳島県鳴門市。
大鳴門橋で淡路島とつながった、四国の玄関口である。

 

このまちには、忘れられない苦い思い出がある。

 

15年ほど前、年末年始に青春18きっぷで四国を一周した。
このとき、気の緩みからか最終日に豪快に風邪をひいてしまった。

 

悪寒と戦いながら、果敢にもうずしお観潮船のデッキで動画撮影を敢行した結果取り返しのつかないことになってしまい、高速バスを待つ大塚国際美術館のベンチでガタガタ震えながら高熱にうなされる地獄の苦しみを味わった。

バスでもずっとぐったりしてたせいで、生まれて初めて通った淡路島の景色は何ひとつ覚えておらず、もろもろ予定を変更して新神戸から新幹線で緊急帰宅することを余儀なくされた。

 

この経験によって、旅先での体調管理には細心の注意を払うようになった。

※もっともらしいことを言っているようであるが、結局のところただの自滅である

そんな鳴門に久しぶりにやって来たのは、この地にあった遊郭跡を見るためだった。

鳴門の遊郭は鳴門駅の東方、かつて撫養城(岡崎城)があった妙見山の麓にあった。
それも、2ヶ所あった。

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林崎遊郭

趣のある長屋。手すりの意匠がよい

まずは撫養町林崎にあった「林崎遊郭」から見て行こう。
旅の最終日。徳島駅近くのホテルを出発し、まだ朝も早い時間だった。

場所については、この安立寺を目印に訪れるとよい。

ぶらぶらと歩き出すと、すぐに目につくモジャ物件。
2009年末に廃業したという、「養老湯」の建物だ。

ファサードはモダンな造りをしている。
いつ頃からあったのか不明だが、少なくとも遊郭が現役だった時代にはもうあったのではなかろうか。

珍しくWikipediaに遊郭について記述があり、それによれば最盛期は昭和初期。
25軒に娼妓約90人という規模だったようだ。

おなじみ『全国遊廓案内』には「撫養町遊廓」で記載があり、こちらは20軒約100名。

で、今はどうかと言うと、往時の名残はもうほとんど見られない。
古い木造の平屋や長屋が歴史のよすがを微かに感じさせる程度である。

何かの祠があった

お世辞にも宅地化が進んでいるとは言えない。ほとんどの遺構は建物の寿命で姿を消したのであろう。

明治期頃と思われる、厨子二階の町家なんかもあった。

造り酒屋風の煙突。

すり減った、擦り切れた・・そんな表現がしっくりくる町並みだった。

消化不良な感が否めなかったが、長居は無用である。
早々にもうひとつのほうへ向かうことにした。

(2ページ目へ続く)

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